菅首相の地銀再編発言以来、メディア関係者を中心に地域銀行の合併統合に関する照会が急増しています。
「まずはブログのバックナンバーをお読みください」
このようにお応えしているように、地域金融機関の再編についての私見は、このブログで何度も書いていますが、自分なりに一貫しているつもりです。
多くの方達と話をしていて一番感じることは、合併統合とは「資本統合」であるとの認識が薄いことです。
資本統合を行った銀行グループの施策は、あえて資本を一緒にする必要なく業務提携や連携でできることばかりです。
コロナ禍の中、顧客対応に全力投球しなければならない今、多大なコスト(機会費用も含む)とマンパワーをかけてまで、なぜ資本を一緒にしなければならないのか。業務提携や連携ではダメなのか。
そもそも合併統合は自己中心ではなく顧客本位でなければならないことは言うまでもありません。
ディスクロージャー誌などで地域銀行のリスク資本の配布並びに使用の実態を見るとほとんどの銀行は地元顧客のために資本を使い切っていません。資本に余裕がありながら、合併統合で資本を膨らませて何をやりたいのでしょうか。
「コロナ禍で資本の毀損の可能性があるから、予防的に合併統合するのだ」
そういうことを宣う金融機関に限って、信用リスク回避だけしか考えておらず、100%保証の制度融資にせっせと取り組んでいらっしゃる。屁理屈、言い訳ですね。
ワタシのメディアの方々への回答は、
「救済でもない限り(つまり資本に問題があるということですね)合併統合はあり得ないでしょう」