地域金融機関の4~9月の半期決算数値が徐々に公表されていますが、多くの金融機関ではコロナ関連の資金需要に対応したことで融資残高が急増したものの、与信費用も増加という図式となっているようです。
下期、来期は与信費用のコントロールがポイントになるものと予想され、経営改善/事業再生を中核に据えた伴走支援型のビジネスモデルへの大転換が求められる中で、地域金融機関Xでは大掛かりな人材教育プログラムを発動しています。
~コロナ禍で企業の経営が厳しさを増すなか、資金繰りだけでなく販路開拓や事業構造の見直しなども支援する。これまで本部だけに配置していた経営改善や事業再生が専門の担当者を21年△月から支店に計〇〇人置く。管轄エリアごとに、顧客の販路開拓や業務のIT(情報技術)化、採算の管理などでコンサルティングする。事業・財務構造の見直しなども担う。顧客企業への出向もあるという。(日経新聞の記事より)
驚くことに、この地域金融機関Xの人材教育プログラムに、同一地域を地盤とする地域金融機関Pの職員も参加しているとのこと。
地域金融機関Pのトップからの依頼に、地域金融機関Xのトップが、
「未曾有の危機に地域顧客のために地域全体が総力戦で臨まねばならぬとき、敵も味方もない。」
との判断で受け入れに応諾したものと推察されます。
この話を聞いたとき心が震えました。