数十年来の畏友から手紙が届きました。
過疎地の協同組織金融機関の経営者です。
「我々にはミドルリスクという概念はなく、資金を必要とする先にはすべて対応してきました。地縁、人縁、同級生社会のネットワークもあり、域内融資先の不良債権は多くありませんが、融資の総量が少ないため収益的には厳しく、地域の金融インフラは非効率といえども堅持せねばならず、そのための体力をいかにつけるかが大きな課題です。」
リレーションシップバンキングのお手本の金融機関なのですが、資金を必要とするすべてに対応しても、預貸率は極めて低く、貸出金利収入で地域の金融インフラを支えることができないという状況です。
異次元緩和で金利が潰れてしまい、有価証券運用で利益を出すためには相当のリスクを取らねばならず、無理はできません。
こういう協同組織金融機関の取引先に対しても、ノーリスクのゼロゼロ融資が発表されるや、普段は顔も出さない地銀が性懲りもなく擦り寄ってきます。
忌々しいことに、フリーライダーの地銀の巧言に乗ってしまう事業者がいることも事実ですが、幸いにしてこの地区の信用保証協会は、最後まで借り手の面倒を見る気のないフリーライダーのゼロゼロ融資には厳しい目を光らせており、某地域のように規律欠如の状態とはなっていません。
とはいえ、どうやって域内で資金需要を作っていくか。
難問です、、、
無責任なことは言えませんが、のと共栄信用金庫が中心となって進めている、七尾カルテットが一つの突破口になるかもしれません。