日本のバブル崩壊を描いた「セイビング・ザ・サン」(2004年)を読んで以来、ジリアン・テットさん(Financial Times 米国版エディター・アット・ラージ)の論考をいつも楽しみにしています。
本日の日経に掲載された「企業監査、脱炭素の主役に」、
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20211110&ng=DGKKZO77400480Z01C21A1TCR000
期待に違わず鋭い視点に、ドッキリさせられました。
印象に残った箇所を列挙します。
~現時点で既に明白なことが一つある。気候変動対策では企業の監査人にスポットライトが当たるのだ。
~これまで投資家が主に注意を向けてきたのは上場企業の環境対策であり、非上場企業ではなかった。世界最大の運用会社米ブラックロックのCEOで、やはりGFANZの活動主導者ラリー・フィンク氏は非上場企業もネットゼロ目標を設定すべきだと強調した。
~これほど大きな利害が絡み、これほど急速に潮目が変化して風当たりも強くなっている時に、監査人にこれほど微妙な判断が委ねられたことは今までほとんどなかった。(中略)監査人に向けられる目が一層厳しくなる。気候変動リスクを看過したり評価を誤ったりした場合は信用が失墜し、法的責任にさらされる可能性もある。環境問題はもはや市民がプラカードを掲げてデモ行進する街中や政府の会見場だけではなく、さまざまな企業経営の現場でも取り上げられ議論されるようになった。もしかすると環境活動家が勉強し直して監査人となる時代がやってきたのかもしれない。監査の世界は環境問題をめぐる丁々発止の最前線であり将来、変化をもたらす大きな力を秘めている。
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「環境活動家が勉強し直して監査人に」、、、
相変わらず、冴えています。