ワタシが社外取締役(15年目、牢名主みたい)を務めている山陰合同銀行は、総資産ベースだと第一地銀中位なのですが、地盤とする地域となると、県の人口も、株式会社数も、全国で最下位(鳥取県)とブービー(島根県)。上場企業数は銀行を除くと両県で4社のみという全国トップクラスの過疎地です。
その山陰合同銀行の機関投資家等向けIRが、先週木曜日におこなわれました。
今回は初めての試みということで、社外取締役3名全員(取締役監査等委員を除く)が頭取とともに席につくことになりました。
会場の出席者の方から社外取締役3人に対し質問がありましたが、ワタシに対する質問は、
「山陰合同銀行の特徴をどうとらえているか」
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以下の通り回答しました。(しゃべりすぎでしたが、、、)
~経済基盤が弱く課題先進地区だからこそ、常に自ら考え創意工夫して行動しないと生きていけない、という思想が徹底している。
~ここ一番での経営の決断がある (そのためにコツコツと資本を積み上げている)。
~具体的には、
*1991年のふそう銀行との合併(→兵庫県の店舗ネットワークが加わる)、
*1990年代中盤には、20年国債を積極的に積み上げ(→その後、低金利時代に)、
*2015年ごろ、兵庫に注力(ただし、山陰と同じリレバンアプローチによる競合との差別化)、
*2020年の野村証券との包括業務提携、
など。
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前例踏襲・横並びで、他に先駆けた決断力がない経営のもとでは、地域銀行(とくに経済基盤の脆弱な)の先行きには厳しいものを感じます。
他に先駆けた決断はリスクと表裏一体ですが、地元事業者さんが常に事業リスクに直面し、創意工夫していることを思えば、金融機関だけがリスクに背を向けるわけにはいきません。