最近、地域金融機関の経営層から、「企業風土改革」という言葉がよく出てきます。
先週27日の新田さんとの対談においても、この話が出ましたが、企業風土を変えるには、組織構造などに手をつける前に、まずは役職員の意識を変えていかねばならないと思います。
旅芸人ブログでは、JAL改革において、意識改革、それも役員の意識改革が最初だったという話を書いています。
ワタシは、地域金融機関の役職員の意識改革は、JALのそれよりも難易度が高いと考えています。それは、借り手に対する「優越的地位」があるからです。
航空会社には利用者に対する優越的地位はありません。顧客はサービスや安全性に不満を持ったら、あっという間に競合他社へ乗り換えてしまうからです。
それに対し、地域金融機関からの借り手の立場は弱いものです。地域金融機関によっては「敷居が高い」といわれます。とくに地域トップバンクにその傾向が強いですね。
敷居の高さは優越的地位と表裏一体のところもあります。
企業風土を変えていく上での意識改革、トップ地銀ほど難易度が高いのかもしれません。
コメント
「企業風土を変えるには、組織構造などに手をつける前に、まずは役職員の意識を変えていかねばならない」
難しいですね。
JALの場合は経営危機という危機感がありましたが、金融機関は公的な側面もあって、役職員にも半ば公務員のような「お上意識」が強い人間もいます。公的側面から経営危機時には政府が救済に動いてくれる、という安心感もあり、それがモラルハザードや経営の緊張感を失わせている側面もあります。
とすると、余程危機的な状況でないと意識改革には至らないと思われますが、逆にそういった危機的な状況に陥って、意識改革を経た寧ろ弱い立場の金融機関から変革が始まって業界地図が塗り替わっていく可能性がありますね。
追伸
ただ私の立場からすると、ちょっと気が長い話だな、という感じもしますね。
今まで時間が余りにもかかっている分、どれ位のタイムスケジュールを見込めばいいのかと。
私個人からすると、もう十分手遅れだと思うのですが。