5月16日の日経電子版イブニングスクープ「公益重視の新たな会社形態 政府検討、短期利益偏り修正」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA162TR0W2A510C2000000/
~政府は環境問題や貧困など、社会的な課題の解決を事業の目的とする新たな会社形態の設立に向けた検討に入る。定款などで社会貢献を担うと明示した企業を認定するといった形を想定する。(記事より)
を読み、
岸田政権の「新しい資本主義」の実現に向けた計画の柱の一つとして検討されている「パブリック・ベネフィット・コーポレーション」(PBC)の日本版は、「地域金融機関の生きざまそのもの」であると強く感じました。
地方銀行は、同じ銀行でもメガバンクとは別業種と考えた方がよい。
このことを教えてくれたのは、18年前に社外役員の機会を与えてくださった鹿児島銀行の頭取さんです。
「多胡さん、地銀経営は経済学と社会学のバランスだよ」
鹿児島銀行では社外監査役3年、社外取締役10年と13年間にわたり在籍しましたが、ほとんどの地区の営業現場をまわって行員さんやお客さまの生の話を聞き、経済学と社会学のバランス経営の重要性を痛感させられました。
このバランス経営、16日のブログ「課題先進地域での地銀の生き方」で取り上げた山陰合同銀行にも通じるものです。
山陰合同銀行の経営の根幹にあるものは、間違いなく「経済合理性と社会性」のバランスであり、地域のお客さまの価値向上、地域経済の持続と成長が銀行の利益につながるという「共通価値の創造」をめざし続けています。
15年間、社外取締役の任にありましたが(6月の株主総会をもって退任予定)、その間、
貸出金は、2兆1400億円→3兆5600億円
預金は、3兆2500億円→4兆4300億円
純資産は、2512億円→3799億円
当期純利益は、74億円→145億円
と増加していくのを傍で見ていました。
「リレバンは正しい儲け方」
このことを立証してくれた役職員の皆さんに感謝しています。
コメント
ご退任、お疲れさまでした!
長らくお疲れさまでした。でも多くの地域金融機関の状況を鑑みますに、まだまだ多胡先生には地域金融機関のあるべき姿、地域金融機関のサスティナブルなビジネスモデルの方向性を示し続けていってもらわなければ困ります。
地域金融機関の多くそして監督官庁は経済合理性に重きを置き社会性が欠落、足元の損益が好調なことのみを評価している現状がありますから。