来月のジンテックセミナーの準備の一環で、
リレバンあり方ワーキンググーループ報告書「リレーションシップバンキングの機能強化に向けて」(2003年3月)のなかから、
事業者の経営改善・事業再生の「支援」に関する箇所をピックアップしてみました。
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~キャッシュフロー等のモニタリングにより得られる情報を活用しつつリスク管理を行い、必要な経営相談等に応じる、といった取組みを強化していくべきである。(リスク管理、モニタリング、コンサルティング能力の向上)
~業績が悪化している企業が有する中小・地域金融機関に対するニーズは、リレーションシップから得られる情報に基づいて早期に経営支援を実施し再生を図るための情報の提供者としての役割と、そうした企業は有効な資金の調達が困難となることが多いことから、資金の供給者としての役割であると考えられる。
この場合、中小・地域金融機関において最も求められることは、リレーションシップから得られる情報を活用してなるべく早期に企業の再生に向けて乗り出すことと、再生可能な事業とそうでないものを見極める能力であると考えられる。
このため、中小・地域金融機関の中には、既に中小企業診断士など中小企業支援に専門性を有する人材を養成し、借り手企業の早期の再生を支援するための体制を整備して要注意先債権の健全債権化等に成果をあげているところもある。
(以上、15~16ページより)
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その後の各地域金融機関の経営改善・事業再生の支援を振り返って見ると、
A: 上記のような取り組みを組織的継続的に粛々と行なってきたところ、
B: 自らの体力、収益力の状況と相談しながら、不良債権処理を進めたところ、
とに大きく分かれるように思います。
その内訳を見ると、遺憾ながら、Bパターンが多数派です。
地域における事業者数に厚みのある地域の金融機関はBパターンが圧倒的に多く、Aパターンは課題先進地区(過疎地)の金融機関に比較的多いようです。
過疎地にありながら、短期的目線のプロダクトアウトで収益を追いかけるだけの自己本位の金融機関はBパターンであり、ゼロゼロ融資等で一息ついたものの、ポストコロナにどう対処するつもりなのか。
このままでは、地域のお客さまが苦境に陥ることはもとより、金融機関自身にも明日はありません。
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