メディア報道等にもある通り、金融庁は中小企業向け融資で経営者が個人で背負う「経営者保証」の慣行を見直すとの発表を行いました。
来年度から、金融機関が個人保証を求める場合は「説明義務」が課されることとなります。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20221102&ng=DGKKZO65655920R01C22A1EE9000
12月1日を期限にパブリックコメントを募るのですが、金融庁の「中小・地域金融機関向け総合的監督指針」の改定案には以下の文言があります。
「保証契約を締結する場合には、どの部分が十分ではないために保証契約が必要なのか、どのような改善を図れば保証契約の変更・解除の可能性が高まるか、の客観的合理的理由について、顧客の知識、経験等に応じ、その理解と納得を得ることを目的とした説明を行う」。
経営者以外の第三者に債務履行を求める「第三者保証」は2011年に原則禁止となっていますが、本丸である経営者の「個人保証」にもメスを入れることで、中小小規模事業者の再チャレンジ、ベンチャー企業の創業、事業承継などを妨げている大きな要因が取り除かれるとの期待は大きいものと考えられます。
政府は、6月に閣議決定した「新しい資本主義」の実行計画において、成長のエンジンとなるスタートアップ支援を柱に創業資金が借りやすい制度をつくる方針を示しており、経営者保証の慣行の見直しはその流れにも乗っています。
新規創業を促すことの重要性は言うまでもないのですが、
旅芸人としてはポストコロナに向けた既存事業者の再チャレンジ、事業承継のなかで、経営者保証の透明性が増すこと(←客観的合理的な理由の明確化で)に大きな意味があると思っています。
コメント
これにより来年は金融機関にとって大きな節目の年となります。
レッドオーシャンに留まりもがく金融機関とブルーオーシャンで活き活きと動く金融機関の二つに分岐します。レッドオーシャンに留まる金融機関が多いと思われますが。本来の金融機関としての力が必要になることは明らかです。