~「コロナ禍に政府は、無利子・無担保融資や、貸し倒れ引当金の積み立ての柔軟化など、相次いで打ち出した。金融システムの安定を守るために国が支援するというのは否定はしない。だが金融機関に対して『過保護政策』ともいえる。これによって、大きなリスクが発生している」
~「金融機関の『現場力』の低下だ。ノーリスクの融資しかやらなくなると事業性評価は忘れられる。顧客と親密な関係を築き、顧客と一緒に経営改善を考えるといった『リレーションシップ・バンキング』が衰えてしまう。ウイズコロナ・ポストコロナの事業展開が描けない事業者は倒産するか、廃業するかだ。そのたびに国はお金を入れるのだろうか。企業の倒産・廃業が相次げば、金融機関の収益基盤がなくなる。金融機関の怠慢な対応は結局、自分たちに返ってくる」
~「貸出量を増やすことだけを考えていた金融機関には、異業種がどんどん攻め入っている。すでに住宅ローンではイオン銀行や住信SBIネット銀行などコストを抑えた銀行が躍進している」、「それに比べて事業支援や事業再生といった領域は付加価値があり、まだまだ新興勢力に真似できない分野だ。コロナ禍は、ここに力を入れてきた銀行と、まったく頼りにならない銀行を図らずもあぶりだしている。親身に相談に乗ってくれない駄目な銀行は、顧客からそっぽを向かれるだろう」
2020年6月5日の朝日新聞デジタル版、「地域金融はコロナで責任果たしたか 「怠慢」のツケ懸念」
https://www.asahi.com/articles/ASN636DT2N62ULFA00K.html?iref=pc_ss_date_article
のなかで、話したことです。
つくづく同じことしか言っていないと思います。
2年半前あまりが経過しましたが、ごく一部を除き、地域金融機関の現場の力はますます低下しています。
この記事が出たとき、「過保護政策」とは何だ、と多方面の地域金融機関から批判が出ましたが、
ゼロゼロ以前、コロナウイルス襲来の直後からプロパー資金で対応していた地域金融機関(多くはないが複数)があることを例に「恥を知れ」と反駁しましたことを思い出します。
ゼロゼロの借り換え保証、どうなりますやら。