件数やボリュームだけにこだわる

本日の日経朝刊、私の履歴書。JR九州の唐池さんの話です。

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20230329&ng=DGKKZO69654070Y3A320C2BC8000

下記の箇所(記事より抜粋)に大いに共感しました。

~外国から年間8000万人台の旅行者を受け入れる観光王国フランスでは9割がリピーター。日本のリピーター率は6割にとどまる。訪日外国人の総数ばかりを追い求めず、リピーターの数やリピート率を重要視すべきだと首相らに伝えたつもりでいた。事務局の観光庁から連絡のメールが来た。「各委員は訪日外国人の目標数を提言してもらいたい」。そうら来ましたよと思い、すぐ返信した。「総数を目標に入れるのもいいが、リピーターの数と率の方がもっと重要ではないか」。しかし招集された会議の冒頭、報道陣を前にした安倍首相は「20年に4000万人、30年に6000万人」という受け入れ目標人数を宣言してしまう。やっぱりね。

本質は横に置いておいて、とにかく数、件数にこだわる。

役所関係の議論で経験したことがあります。

こういうの、ガックリきますよね。

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コメント

  1. 長川康一 より:

    日本人は右肩上がりの数字が大好き。
    そしてそれが弾けると「大変だ大変だ」と大騒ぎ。
    しかしそれも喉元すぎるとまた右肩上がりの数に拘る。
    カネをかけて新規の取引先の獲得に夢中になり、長い取引の実績先でも新規の契約が取れないとなると足も遠のく。
    これからの下り坂の環境で私たちが本当に大切にするところを見失ってはいけない。
    そんなことをしていては、自分の身を亡ぼすだけ。

  2. 北白川智 より:

    ニューカマーに比べると、リピーターは販促コストが下がるのです。
    お客様の好みも把握できるから個別対応も可能になります。
    リピートが高じて半定住、そして永住になればさらにヨシ。
    なぜ、わざわざコストを掛けて、興味の薄そうなニューカマー呼び込みに力を注ぐのか、少々理解しかねるところです。

  3. K司 より:

    この投稿を見て和歌山県の有名温泉地の旅館の再建を思い出しました。
    抜本的な手法での再建で大手コンサルからターンアラウンドマネージャーを2代続けて社長に迎え入れ再建計画を遂行しましたがどうしてもうまくいかず。
    その時の再建計画の目標は来館者の数値目標でした。

    もう再建支援もここまでかと言う時に、元の社長である女将が「もう一度社長をさせてくれませんか」と言うことで「もう後がないと思ってください。」と言うことで、女将に再建を託しました。

    その後、順調に来館者は増加。見事に再建を果たしてくれました。
    ある年の年末、宴会を兼ねて件の旅館に宿泊した時、どのようにして来館者の数を増やして行けたのか女将に訪ねると、「私達には大手旅行会社に太いパイプも持っていません。出来ることと言えば、いらっしゃってくれたお客様がまた来たいという旅館づくりだけです。それを従業員と一緒になって出来ることを徹底的にやってきました」との返答。

    投稿を見て、やはり観光業に携わる現場の方の見方は同じなんだなあと感じた次第です。