本日の日経朝刊、
「情けは顧客のためならず 渋沢栄一が説いた銀行の原点」銀行誤算の20年⑨
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB231KK0T20C23A5000000/
~近代銀行の祖といえる渋沢が唱えたのが「道徳経済合一」という哲学だった。収益は結果であり、顧客の悩みに応えれば収益を頂けるという考え方だ。
~株式会社である以上、収益を追求することは当然だ。だが、それから150年。地域銀行は「道徳経済合一」を実践できているだろうか。地域のための金融機関に徹することが中長期的に銀行の成長に結びつくという渋沢の教訓を見失っているとすれば、先行きは暗い。
(いずれも記事より、太字は多胡)
顧客の悩みに真剣に応えることなく、短期的な収益至上主義に走って、顧客との信頼関係が失われているのが、多くの地域銀行の現状です。
「道徳経済合一」、数年前に金融庁が行政方針でも謳った「共通価値の創造」
を改めて考える段階に来ています。
“金融機関だけ”が解消できる「顧客の悩み」はお金のことです。
事業者についていえば、コンサルティングなど事業面での支援は二の次であり、まずは真の資金繰りです。
真の資金繰り支援については何度も旅芸人ブログで書いていますが↓
“資金繰り支援”とは「事業者がお金の心配することなく事業に専念できる状況を作ってあげること」です。事業者がこういう状況になって初めて、事業者と金融機関の真の「対話」が始まり、ソリューションビジネスへと展開していきます。
上記の日経記事でも問いかけていますが、ワタシは地域銀行と顧客との信頼関係は歴史的に見ても最低レベルに落ちていると思っています。
コンサルも本業支援も結構ですが、まずはバンキングの立て直しから↓
旅芸人のいつもの主張ですが、渋沢栄一の言葉の後押しを受け、改めて発信することにしました。
今日は「バンキングを究める」を実行し、着実に実績を上げている地域銀行のトップと面談します。
コメント
今年入職した職員の研修で、「相互扶助」という信用組合の創業精神をどのような言葉で言い換えたらいいか考え至ったのは、「情けは人の為ならず」でした。今は「情けかけるのは本人のためにならない」と自己責任的に理解する人も多いのですが、「情けは人の為ならず」の後には「自分が困ったときにも助けてもらえる世の中であってほしい」という願いがあります。困っている人がいれば、見ず知らずの人でも助けてあげる、そんな世の中にしなければなりません。渋沢さんの願いもそうであったと思います。利を追うだけの社会は悲惨です。