先週、ある方から指摘を受けました。
「地銀の23年3月末の決算数値を見ていたら、融資の年間伸び率が「25%」と、すごい実績を上げているところがある。」
びっくりして、その銀行の決算説明資料をみたところ、確かにその通りでした。
ただ、内訳を見ると、何と公金向けが「87.5%増」、公金向けを除外すると「➕4.5%」で、地銀の平均的なレベルです。
この銀行が公表している「公金向け融資」1兆5千億円余りの中には財務省貸付が含まれていると思うのですが、いまどき財務省貸付をここまで積極的に行う地方銀行があるとの認識は欠落していました。
今回、貸出残高2桁の伸びを達成した地方銀行は、冒頭の地銀も含め、6行あるのですが(第二地銀はゼロ)、そのうち公金向け融資が増加率2桁に押し上げたと思われる銀行を除外すると、
山梨中央銀行(➕11.8%)と山陰合同銀行(➕10.4%)の2行に絞り込まれます。
いずれも地元経済基盤は強くなく、県外での融資の伸びが寄与しているようです。
ただ、従来のように地元以外での低金利攻勢での融資が伸びるとは思えず、苦戦する地銀が多い中で、この2つの銀行にはお客様から選ばれる何かがあると推察されます。
蛇足ながら、
ゼロゼロ融資の利子補給率が突出して話題になった県の地銀は、ゼロゼロ融資が席巻した2020年度こそ前年比で「9.5%」増と著しい融資残高の伸びを計上したものの、2023年3月末は前年比「➕1.9%」と地銀平均を下回っています。