「信用保証協会にしか救えない事業者があるのに、放置してなんとも思わないのか」
つくづく思います。
事業者が重篤な経営状況に陥りながら、貸し手である金融機関(複数取引)はすくんでにらみ合ったまま動こうとしない。とくに昨今、金融機関は極力リスク回避で汗をかかず、プロダクトアウトの物売り体質になり、現場力はガタ落ち。
でも、抜本処理(活性化支援協に持ち込み)は最後の最後です。物理的に抜本処理に持ち込めない小規模事業者の方が数は圧倒的に多いのが実態ですし、抜本処理による事業者に対する副作用の大きさを考えたら、その前の段階でやることがほとんどです。
最近は何でもかんでも活性化支援協に相談という、ワタシには理解しがたい見えない?力が働いて(→ 金曜日のローカルベンチマークの委員会@経済産業省で「ロカベンACT」の相談窓口が活性化支援協となっており、唖然)いますが、その前段階のところが圧倒的に広いゾーンです。
でも十分に対応できている地域はきわめて少ない、遺憾ながら。
このゾーンでのホンモノのプレーヤーは数少ないのですが、その方たちからいろいろと教えていただくなかで、このゾーンに対応できるのは“信用保証協会しかない”と改めて確信しています。
このゾーンにおいても、ポイントは事業者のキャッシュフロー改善です。PLを増やしていかねばどうしようもありません。結局黒字にしなければ話しにならんということですね。
そのためのニューマネーは必須。プロパー融資を出す気概のある金融機関は一握り。しかるに、対応できるのは、信用保証協会の保証付きしかないといっても過言ではありません。
ワタシが指導を仰いでいるプロの言葉を引用します。
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~『3期連続赤字で大幅債務超過、足元では不渡寸前』でも、改善の可能性があり、そして改善を確実に支援できる方法が『お金があればできる』のであれば、協会が保証すれば良いです。ただしニューマネー打った後の絵を想像してしっかり管理できないなら、それはただの無謀な保証であり、モラルハザードを引き起こす可能性もあります。いつも言いますが、こういうケースは『保証した後が問題』なのです。
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レイジー信用保証協会に対しては、「なぜ経営支援業務に真剣に取り組まないのか」と厳しいメッセージを出し続けていますが、今後もさらにこの発信を続けていきます。
コメント
【ニューマネー打った後の絵を想像してしっかり管理】
まったくその通りです。そのためには「保証協会と金融機関が協働する」ことが大切と思いますが、残念ながら「短期継続保証制度」「コロナ借り換え保証制度」等をみても、「仕組み的に金融機関を協働に巻き込む」ものになっていないように感じています。
支援を必要とする企業に対し、保証協会のマンパワーも限られており、実効を高めるには今一つ踏み込んだ制度設計が必要と考えています。
こんばんは。
金融機関がうごかないから保証協会がヤランカイ!というのはいささか乱暴でしかも中小企業融資の本質を外してしまっているのではないでしょうか。といつも思って見ています。
金融機関がうごいているのに保証協会がうごかないというのであれば問題ですが。
ぼくには心から尊敬する信用保証協会のOBの方がいます。彼は信用保証協会を退職後、コンサルタントとして事業者のために日々活躍しております。彼は、とにかく事業者の正面に立ち、目を合わせ向かい合いサポートしています。やらんかいではなく、彼は事業者が心配だからサポートしているのです。
ぼくは彼の姿こそ「中小企業融資の本質」であると確信しております。
中小企業融資の本質とは、あくまでも事業者様の立ち位置から見ての論の中にあるんでしょうね。事業者様の事業存続・発展のためにという目的を設定して初めて論ずる事ができるのだと思います。金融機関の融資や保証協会の保証はその目的に向かうための手段かと。
奥山様がおっしゃっている“虎”は、現役の頃からその手段を事業者様のために絶妙に上手く使いこなしていたと思います。そこにプロパーも保証付きもラベルに差はなく、真に必要な手段を都度活用していただけだと思います。『プロパーで出来なければ保証付きでやれば良い、保証付きより事業者様に有利ならプロパーで』と。
融資の形態ではなく、事業者様サイドで生れる効果にこそ本質がある、という気がします。