「あれもこれもしない。やるターゲットを絞って複雑にしない。捨てる経営です。先ほどの投資信託、保険も捨てるんです。」
2022年のジンテックセミナーでの広島市信用組合の山本理事長の発言です。
広島市信用組合は20期連続の増収(経常収益ベース)、8期連続で税引後利益が過去最高を更新し続けています。
「やるか、やらないか」の決断と比べると、やめる決断は容易ではありませんが、トップにしかできません。
やめる決断ができるのが本当の経営だと思います。
発足から数年しか経ていない証券子会社を廃止して、証券会社との包括業務提携に踏み切った地銀の事例は、経営による「やめる決断」の典型例です。
その後の一連の仕組み債騒動をみると、この地銀の決断は正しかったと思っています。
16日のブログで書いた通り、「やめる決断」はトップ地銀や、狭域コミュニティでフルラインを求められる協同組織金融機関を”除く”金融機関に与えられた特権です。
この特権を活かして本当の意味での選択と集中の経営をするのはどこか、
広島市信用組合に続く地域金融機関が現れるのを期待しています。
なお、
有価証券運用に特化するというのは、地域金融機関の根本に抵触することであり、この限りでありません。
地域金融機関に認められた権利にフリーライドするだけで、本来の役割から逃げる経営には大いに異議あり。
さっさと業種転換されたし。