「金融庁 地銀再編の後押しで福邦銀行に経費の一部補助 初の適用」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210928/k10013281531000.html
福井銀行と福邦銀行の顧客層があまり重なっていないことから、2ブランドという選択ができたのではないかと思います。
バックヤードとか店舗などの共通化を粛々と進めて効率性を追求する一方で、対面での顧客接点は両行においてそのまま維持されることになります。
ところが、顧客層の重複部分が大きく、ともにビジネスモデルがプロダクトアウトのトランザクションバンキングだと、対面での顧客接点のところでも余剰人員が発生します。
ここにメスを入れねばならないから大変です。福井以外の地における地銀再編は、顧客層がほとんど重なり同一ビジネススタイル(プロダクトアウトのトランザクションバンキング)でしのぎを削っていた銀行同士です。
これらの銀行では従業員が浮き足立っているとの声が聞こえてきます。まさに銀行員冬の時代、寒風が身にしみるようです。
首都圏のような大都市圏であれば再就職先はあるものの、地方都市ともなると金融機関や役所が最大の雇用先になっています。そして銀行員の給与水準は地元事業者のそれと大きな格差があります(夫婦そろって公務員の家庭が富裕層である、という話も聞いたことがあります)。地域としては高水準にある銀行員のコストを吸収できる受け皿となると他にはほとんどありません。
プロダクトアウトのトラバンモデルが終焉を迎えているにもかかわらず、変わろうとしない組織に期待することはできないとばかり(ワタシもいまや期待するのは無理と諦めの境地)、早期退職者はどんどん増え、残っている人たちの中にも、お客様のため、地域のために自己変革していこうという動きが出始めています。
地域金融変革運動体は個のつながりですが、こういう人たちの相談相手となっていきたいと思います。
今日は地域金融変革運動体が主催するジンテックセミナーの第2回目です。