8月10日の日経記事「金融庁が新チーム」で、遠藤金融庁の目指す方向性を確認することができました。
8月8日の財務局長会議においても、この記事の内容が論点となったものと推測されます。
日下さん (記事では地銀出身の幹部と記載されていますが) の率いる「地域金融生産性向上支援室」への期待は大きいのですが、もう一つの組織、健全性を見るという「総合政策局の検査グループ」とのバランスが勘所になると考えています。
森金融庁では、フォワードルッキング、「過去から未来」へということで、早期是正措置からの脱皮を模索しました。
⑴ 自己資本比率や不良債権比率が芳しくなくても、将来の健全性に向けて、顧客本位の持続可能なビジネスモデルをコツコツと進めている金融機関 (Aタイプ) は応援する。
⑵ 一方、深刻な状況にも関わらず、持続可能な顧客本位のビジネスモデルへの転換をサボっている金融機関 (Bタイプ) には厳しく対応する (→ ビジネスモデル検査 → 経営者の交代 → 業務改善命令)。
非常に明快です‼️
ここは遠藤金融庁となっても不変でしょう。
そして、
業況の厳しい地域金融機関 (どんどん増えている) の中から、(1)と (2) とをはっきり選別することが金融行政サイドの一番重要なポイントだというのが、ワタシの一番言いたいところです。
すなわち苦境に陥っている「 Aタイプ 」をいかにサポートするか、つまり(1)が「金融育成庁」たる証です。
「Aタイプ」の地域金融機関に対し、「Bタイプ」向けの対応をやろうものならとんでもないこととなるのです。
これは絶対に禁じ手です。
「Aタイプ」の地域金融機関に (2) で対応し、トップを交代させて、業務改善命令を出し、挙げ句の果て、新しいトップがプロダクトアウトのトランザクションバンクに傾注する。 それしかできないような人間を新しいトップに据える。(どこかで聞いたことがありますね、、、とはあえて言いませんが。)
このようなことが起こると、地域金融機関の金融行政への不信感は高まり、あっという間に金融行政に対する信用が失墜します。
地域金融機関は金融庁の一挙手一投足を見ています。
金融仲介の改善に向けての検討会議のメンバーとして (クビになれば別ですが) 、このようなことが絶対に起こらないようワタシも凝視していきます。