環境私募債やSDGs/ESGの冠をかぶった金融商品を拡販し、その一部を寄付する活動が前面に出てくるようなSDGs/ESGの取組みを、旅芸人ブログでは「なんちゃってSDGs/ESG」と称しています。
直接金融と異なり、間接金融の世界、すなわち中小小規模事業者にとって必要なのは、金融商品の売り込み(→その結果「事業者のSDGs/ESGへの意識が高まる」という論法には違和感あり)以上に、SDGs/ESGの重要性をしっかりと伝えることが先です。
そういうなかで、本日の日経中国版にある玉島信用金庫(倉敷市、たましん)の取り組みは、我が意を得たりです。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC1440C0U1A211C2000000/
〜たましんは環境省の「ESG地域金融促進事業」の一環で地域の持続可能性をあげることを目的に、勉強会を開いている。2021年度の採択を受け「カーボンニュートラルに向けた水島地区の2次産業の持続可能性の検討と支援体制構築に向けた研究」がテーマだ。勉強会では「大手からCO2の排出量を測れと言われても、我々の顧客である中小零細企業は対応ができない」とたましんが現状を説明。(中略) たましんの宅和博彦理事長は「中小零細企業の困りごとが目の前に迫っている。支援するのが信用金庫の役目」と話す。(記事より)
最近、地域金融変革運動体の盟友たちから玉島信用金庫の名前がよく出てきますが、その訳が分かってきました。
ワタシには、バブル期に岡山県の信用金庫のいくつかが苦境に立たされた記憶が強いのですが、いまポストコロナに向けて大きく動き出している信用金庫があるのは心強いです。
玉島信用金庫の次の一手に期待します。
追記:
玉島は山陽本線の沿線にあり、瀬戸内に面しているのですが、江戸時代は内陸部の備中松山藩(備中高梁)の領地(飛び地)でした。かつて山田方谷の足跡を追いかけていた時に玉島にも立ち寄っています(当時は倉敷市との合併前)。