土俵際まで追い詰められても、なぜ動かない

先週から今週にかけて、地域銀行の中間決算が発表されています。

多くの地域銀行は、2013年以来の量的緩和 (そしてマイナス金利へ) がボディブローのように効いており、小規模でプロダクトアウトのトランザクションバンキングのところは完全に土俵際に追い詰められた感があります。

トランザクションバンキングから抜け出すことができないのであれば、答えは一つ、“抜本的なコスト削減”しかありません。

すなわち、

(1) この期に及んでシステムなどのバックヤードを自前で温存し、株主への配当を維持するというのは如何なものか。

(2) AIフィンテックを駆使する異業種との戦いになる以上、従業員数も給与も今のままで良いわけではありません。

たとえリレバンに注力するにしても、(1)からは逃れることはできないでしょう。

そうなると、小規模地域銀行の生き残る道は、「スケールメリット追求目的の聖域なきアライアンス」、「非上場 (上場のメリットってあるんでしょうか)」、「マンパワーによる顧客接点を重視したリレーションシップバンキング」しかないと考えます。

合併ではありません。もはや合併費用の捻出できる状況にないからです。

「ダウンサイジングとアライアンス」ということです。

すでに、こういう組織形態になっているのは協同組織金融機関ですが、このビジネスモデルが成り立つのはトップに経営能力があることが大前提です。

残念ながら、

これと真逆の経営を行なっている地域銀行が少なくないのには絶望感を覚えます。

アライアンス戦略もなく、わざわざ上場までして、新本店ビルまで建てて、プロダクトアウトのトランザクションバンキングの某小規模地域銀行の中間決算が昨日、発表されました。

2年連続でコア業務純益が赤字です。

経営者はなぜ動かないのか。


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