27日の午前10時6分の日経電子版で、静岡銀行と名古屋銀行の包括業務提携のニュースが流れました。
「静岡銀行と名古屋銀行、包括業務提携を発表」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB271AR0X20C22A4000000/
~経営統合や合併にかかるエネルギーは膨大で、コスト削減への踏み込みが甘かったり、互いの風土が合わなかったりして実力を発揮しきれないケースもこれまでにはあった。(記事より)
それに加え、統合合併のためだけにかかるコストは大きく、合併当事者2行の当期利益合計の数年分になるような事例も少なからずあります。
資本に懸念がないのなら、経営統合や合併という選択肢はあり得ないというのが旅芸人ブログのスタンスです。
両行であれば、包括業務提携は当然のことと受け止めました。
上記の日経電子版の記事は両行トップの記者会見を踏まえ、
~資本提携も協議する。現在、両行はお互い株式を保有していないが、「提携効果を高める観点から、相互に取得する予定」と発表した。取得時期や取得株数は今後協議する。
との文言が入り、16時29分に更新され、見出しにも「資本協議」が加わりました。
「静岡銀行と名古屋銀行、包括提携を発表 資本協議も」
そして、本日の全国紙の紙面の見出しは、
「静岡・名古屋銀、資本提携へ 車産業の構造転換後押し」
となっています。
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ところで、
包括業務提携においてお互いに株式を保有して提携を後押しする手法は、6年前の千葉銀行と武蔵野銀行のアライアンスにおいてもありました。
「千葉銀・武蔵野銀、5年で効果100億円 包括提携発表」(日経電子版、2016年3月26日)
https://www.nikkei.com/article/DGXLASGC25H0T_V20C16A3EE8000/
この記事には下記のようなコメントがあり、驚愕したのですが、少額の株の持ち合いが提携効果を増進したことは、その後のCMAの成果から明らかです。
~資本関係の緊密化は、経済界で進む株式の持ち合い削減の流れに逆行しているという批判もでかねない。「提携効果が出なければ単なる持ち合い強化にすぎないと語る投資家も多い」(SMBC日興証券の佐藤雅彦氏)という指摘もある。
さて、
気になったのは、日経の見出しが、
「包括業務提携→ 資本協議も→ 資本提携へ」
と変わったことです。
静岡ー名古屋の包括業務提携における資本協議というのは千葉ー武蔵野の株の持ち合いと同様の趣旨だと思っていたのですが、全国紙で資本提携というのが見出しにドカンと出るような記者会見での印象だったのでしょうか?
ちなみに、2020年10月の静岡ー山梨中央の包括業務提携でも「提携効果を高める観点から、相互に取得する」(両行のプレスリリース)としています。