本日発売の週刊東洋経済・特集「瀬戸際の銀行」
いつものランキングはさておき、4人の地域銀行トップのインタビューは興味深いものがありました。
下記は当該特集の中からオンラインで公開された記事「地銀再編を阻む“みずほ”の呪縛」ですが、
https://toyokeizai.net/articles/-/594421
これを読んで、2つのことを改めて感じました。
いずれも従来から旅芸人ブログが発信していることで、内容的には目新しくありませんが。
ひとつは、
メガバンクと地域金融機関は別業種であり、経済合理性と社会性とのバランスが崩れた(←経済合理性が圧倒的に強い)「メガバンクの論理」をふりかざしても地銀経営はできないことです。
~フィデアの関係者によると、西堀氏(←フィデア取締役会議長、もとみずほ銀行頭取)は「村上氏(←東北銀行頭取)に、銀行業のあり方などをかなり“上から目線”で説くようなことがあった。そうした姿勢を含めて、こういう人間がいる銀行とは組めないとなったのではないか」と話す。(記事より)
これはワタシの持論ですが、メガバンク出身でも、地域金融機関との根本的違いが腹に落ちている人間が地域金融機関の経営を行うと非常に良い結果が生まれます。
ただ、そういう事例は決して多くはありません↓
もうひとつは、
一度でも合併を経験した銀行員は口を揃えて、「もう、こりごりだ。2度とやりたくない」ということです。
「合併経験のないメディアの人たちは合併と気軽に煽るが、自分たちも体験すればわかる」と吐き捨てるようにいう、合併銀行員たちが多数派だということをわかってほしいものです。
~名古屋銀を提携に駆り立てたのは、2021年12月に発表された愛知銀行と中京銀行の経営統合だ。両行が組めば、貸出残高で愛知県トップの座を「愛知+中京」連合に譲り渡すことになる。(中略) 名古屋銀の藤原一朗頭取は、記者会見で「愛知銀と中京銀の経営統合を意識したのか」と問われると、「ありません」と一蹴し、それ以上言葉を続けなかった。ただ、経営統合はしないという方針について質問されると、途端に「前職時代に経営統合を経験した。現場にいて大変だったという思いがある」と生々しい記憶を吐露したのだ。藤原氏の「前職」は日本興業銀行で、「大変だった経営統合」とは、3つの母体銀行による内部抗争とシステム障害を繰り返してきた、みずほ銀のことである。(記事より)
コメント
組み合わせが間違うと致命的ですよね。
合併は手段であり、目的ではない。目的とは何か。目的を見失うと惨憺たるありさまになります。また、具体的にどうしたら実現するのかも合併するにしても、しないにしても説明し、根拠を持たねばなりませんね。