~日本企業の弱点は、「競争は敗者のやること」に行きつく。米決済大手としてフィンテック市場を切り開いたペイパルの創業者、ピーター・ティール氏の金言だ。イノベーションでオンリーワンの市場を開拓する。荒稼ぎした利益は研究開発に投じ、次のイノベーションを生む。利幅を薄める他社との消耗戦など愚の骨頂だ――。そんな皮肉を込めた。昭和からのお上頼みや他社にらみの風潮を引きずっている日本企業の経営者にとって、耳の痛い一言だ。
本日の日経朝刊オピニオン欄、「日本に『開拓社」はあるか」(梶原本社コメンテーター)のなかの一文です。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20220607&ng=DGKKZO61467650W2A600C2TCR000
プロダクトアウトの低金利競争に明け暮れる地域金融機関にもズッシリと響きます。
~株式市場も、開拓する企業を選んできた。例えばエレクトロニクス業界。ソニーグループは5割の世界シェアを握る画像センサーを、村田製作所は4割のシェアを握る積層セラミックコンデンサーを育てて株式時価総額の序列最上位にいる。中国や韓国メーカーとの消耗戦に明け暮れた企業の株価は低迷し、再編にのみ込まれた。(記事より)
地銀業界では、北國FHDの先進的取組みが常に話題になりますが、
コンコルディア、千葉銀行、ふくおかFGといった大都市圏の地銀に伍して、北國FHDのPBRは「0.43(6月6日)」。
開拓する地銀かどうか、株式市場もこの点をよく見ています。
コメント
縮小する地方経済の中、競争し体力を失い、今合併への途を探る。地銀さんだけの話ではなく、協同組織金融機関も同じと思います。共通する元凶は地域社会の衰退です。
ティールはイノベーションでオンリーワンの企業となり大きな利益を上げることを事業目的としていますが、地域の事業者・生活者あっての金融機関ですから利益を至上目的とする経営であってはなりません。多くのバンカーの姿勢もそうであると思います。
ところで金融機関経営のイノベーションとは何なのでしょう。「簡単・便利・早い」と云う商品・サービスを生む事ではないと思います。人々が住んでよかったと喜びを感じる地域のための事業を生み出す人や企業をいろいろな金融機関が連携してじっくりと支援することではないかと私は思うのですが。