昨日、16時から、経産省産業資金課の主催する「ローカルベンチマーク活用戦略会議」がリモートで行われました。
ロカベンは事業者と、金融機関/中小企業支援組織などとの、対話のための共通言語です。
今年度は、ポストコロナに向けての中小小規模企業の事業変革やゼロゼロ融資等による過剰債務問題に対応する上で、ロカベンをいかに活用するかがメインテーマです。
事務局説明、3つのプレゼンのあと、二十数人の委員の面々が全員意見を述べるという形態をとるのですが、一人あたりの持ち時間は2分。
限られた時間でしたが、ワタシは以下の話をしました。
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~ゼロゼロ融資等で地域において最大の与信リスクを抱えることになったのは信用保証協会である。金融機関以上に信用保証協会の役割が重要だ。
~信用保証協会の経営支援業務は、平成30年の制度改定で取り入れられた。この改定は村本孜先生(ロカベン活用戦略会の座長)が中心となって行われた。
~7月6日のクローズアップ現代で放映された大阪信用保証協会のように、経営支援業務にしっかり取り組んでいるところがある一方で、掛け声だけで実態がついていない協会も少なくない。完全な二極化である。
~動きの鈍い信用保証協会にとって、ロカベンは経営支援業務の基本である事業者との対話のための格好のツールだ。実際、岐阜県信用保証協会の経営支援業務ではロカベンが効果的に活用されていると聞いている。
~二極化は大きな問題であり、ロカベンによって信用保証協会の経営支援業務の底上げを早急に行うべきだ。
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ワタシの数人あとに信用保証協会の業界を代表する委員の方から、
「信用保証協会は全国ベースでロカベンを活用している」
との発言があり、ワタシの認識とは相当のズレがあるなと思いました(ビックリ)。
業界代表がおっしゃるのですから、ワタシの認識の方がきっと間違っているのでしょう、、、
ただ、
どの局面でロカベンが使われているのでしょうか?
知りたいところです。
コメント
岐阜県信用保証協会はロカベンを入口に短期継続保証を活用した資金繰り支援や本業支援に結びつけているようです。
しかし、ロカベン作成が目的化してしまい、対話のツールとして活用できず、折角導入した「短期継続保証」などを利用する意識が低いため、資金繰り支援や本業支援に結びついていない協会もあります。
「長期資金の返済額減額は困難」という固定観念の下、「資金繰りが苦しければ長期資金の巻き返し」という発想から脱却できない間はロカベンを活用するレベルには到達できないように感じます。
形だけ作らせて活用せずに終わり、というのはありそうな気がします。
地銀の方も、自分達のシステムに同様の分析ツールがあると、そちらを優先してしまうかも。
オープンAPIみたいに、汎用性を持たせて地銀のシステムに埋め込めるように工夫すれば、地銀と共通仕様になって活用、普及するような気がしますが…