ローカルベンチマーク活用戦略会議でのワタシの発言と、当事者である業界団体の委員の方の意見に大きなギャップがあったことから、12日のブログで問いかけました。
旅芸人ブログのフォロアーの中には全国各地の信用保証協会の方が多く、皆さんからの解説により、おかげさまで不明な部分が氷解しました。
今回の会議は、「ポストコロナに向けての中小小規模企業の事業変革やゼロゼロ融資等による過剰債務問題に対応する上で、ロカベンをいかに活用するか」がメインテーマでした。
ワタシの発言の趣旨は、
~ゼロゼロ融資等で地域において最大の与信リスクを抱えることになったのは信用保証協会である。金融機関以上に信用保証協会の役割が重要だ、
~信用保証協会の経営支援業務は、平成30年の制度改定で取り入れられた。この改定は村本孜先生(ロカベン活用戦略会議の座長)が中心となって行われた、
~7月6日のクローズアップ現代で放映された大阪信用保証協会のように、経営支援業務にしっかり取り組んでいるところがある一方で、掛け声だけで実態がついていない協会が多い。完全な二極化である、
~動きの鈍い信用保証協会にとって、ロカベンは経営支援業務の基本である事業者との対話のための格好のツールだ。実際、岐阜県信用保証協会の経営支援業務ではロカベンが効果的に活用されていると聞いている、
~二極化は大きな問題であり、ロカベンによって信用保証協会の経営支援業務の底上げを早急に行うべきだ、
というもの。
それに対し、信用保証協会の業界を代表する委員の方から、
「信用保証協会は全国ベースでロカベンを活用している」
と意見があり、ワタシとしては全国の信用保証協会がどのようにロカベンを活用しているのか、素直に疑問を持ったのでした。
数名のフォロアーの方たちによるレクの内容をまとめると、以下が信用保証協会におけるロカベン活用の現状のようです。
「信用保証協会はCRD協会のロカベンツールを使っており、そのツールにより法人の財務データからロカベン(財務部分)を自動作成している。ただ、小規模零細事業者となるとデータ不足でロカベンが作成できない。本来は、ロカベンの財務データをベースに個別面談を行い、企業の強み弱み、商流などをヒアリングしロカベンを完成させるべきと思うが、そういう使い方をしている保証協会は岐阜県信用保証協会ほかわずかである。」
この実態を「ロカベンを活用している」と言えるのか?
そもそも、ロカベンは事業者と、金融機関/中小企業支援組織などとの、対話のための共通言語です。
ポストコロナの事業変革支援とゼロゼロ融資の過剰債務の解消のためには、信用保証協会がバラツキなく、全国レベルで経営支援業務に取り組むことが最優先課題です。(貸し手である金融機関は100%保証で信用リスクフリーとなるため、本気で取り組んでいるケースは少ない)
中小小規模事業者のポストコロナに向けた事業変革のための伴走支援の主役は信用保証協会であり、信用保証協会が核になって金融機関やよろず支援協会や商工会などの支援団体を巻き込んだ総力戦こそがいま求められています。
そのためにも全国の信用保証協会がバラツキなく、真の意味でロカベンを活用することは必須ではないでしょうか。