2020年10月に発刊された、森俊彦さんの「地域金融の未来」(中央経済社)は、旅芸人イチオシの地域金融本ですが、
とりわけ中小企業経営者の方々から強い支持を得て増刷を重ね、「中小企業経営者のバイブル」と言われています。
ゼロゼロ融資を巡る中日信用金庫の不正問題↓に接し、
森さんの著書にある【コラム2-②】(p45~46)
「経済なき道徳は戯言であり、道徳なき経済は犯罪である」
を改めて読み返しています。
~中小企業経営者から森さんに、
「売上がコロナ下でも伸びているのに、5行取引のうちのサブバンクから単独でゼロゼロ融資の提案があった。『新聞情報では売上が減少していないと申請できないはず』とサブバンクに尋ねたところ、『委任状と謄本をいただければ、こちらですべて済ませます。誰も内容を見ませんから。他行の借り換えもできます。』との回答があり、怖くなった」
~金融機関の心ある現場から森さんに、
「リスクゼロ(セーフティネット保証4号や危機対応保証)で、国の税金から支払われる利息を受け取るのでモラルハザードそのもの。度を越したノルマ営業が背景にある。気が滅入ってしまう」
~税理士など認定支援機関から森さんに、
「信用保証協会は国の機関として、最初の決算期を迎えた際には、“帳簿の証拠力”に着目し、会計帳簿と月次の売上が記入されている事業概況説明書(税務署への必須提出書類)を求めてチェックして、不正事案であれば利息や保証料、過怠金を国が公表し請求すべき」
~二宮尊徳の生誕の地(小田原)にある報徳二宮神社の尊徳像には「経済なき道徳は戯言(ざれごと)であり、道徳なき経済は犯罪である」と記されている。「明るい未来を切り開く“正義”が王道にある国か」が問われる。同時に、「経済ある道徳」への打ち手も、今、待ったなしだ。・・・
(以上、同コラムより)