地方銀行の中で、顧問制度や相談役制度を廃止するところが出てきました。
過去に頭取を務めた人が対象となるようですが、こういう流れをどう見るか?
メディア受けするかもしれませんが、「廃止イコール“是”、存続イコール“非”」というような単純な話ではないと思います。
経営環境の厳しい中で、現経営陣が先達の助言を必要とすることは多いのではと考えます。
老害には困ったものですが、アドバイスを求めるに値する顧問/相談役までもが退陣することはいかがなものか。
顧問だから相談役だから何でもかんでも廃止するというのは、それこそ「形式主義」に他なりません。
顧問制度や相談役制度よりも、「形式主義」の方がはるかに問題があります。
コメント
おっしゃる通りです。
金融行政は究極目標を「国民の厚生の増大」と打ち出しました。
ならば、地域金融の究極目標は「地域の元気」です。これを上回る目標はないと思います。
顧問、相談役は、東芝やらメガバンクやらの問題を受けて、コーポレートガバナンスの見直しがされたのが経緯です。一律・形式的な適用・運用はおかしいのです。それこそ「形式と手段」への降伏です。
「地域の元気」を阻害するものであれば、顧問・相談役も見直さなければなりませんが、けん引するものであれば、闇雲にやめる必要はありません。
我々は虚構を信じるサピエンスであるが故に、油断をすると、すぐに「形式と手段」に安心を求め、奇妙にも自ら奴隷化されようとします。
経営、あらゆる会議体では、折に触れて「そもそもの目的に照らして、どうかな?逸脱していないかな?」と、口に出し、点検・検証せねばなりません。
それとセンゲの「学習する組織」に関して一言。問答無用の不朽の大著ですが、執筆された1990年当時は「個」の覚醒に関して、あまり関心が置かれていませんでした。このことをハーバード大のロバート・キーガンらが主張し、組織論だけでなく、「個」の覚醒についても研究が進んでいます。組織にして個、個にして組織。この観点が必要です。
「組織」を過信すると、「『組織さん』がなんとかしてくれる」と、議論自体に酔ってしまいます。組織教という宗教を信じるだけではなく、「個」の覚醒こそが変化をもたらすことを忘れてはなりません。
この辺り、「捨て銀3」でも指摘しました。
マネタライズの意味を正しくご理解されているように思います。
事務ガイドラインが改正されて以来、収益チャンスが広がったととらえ、目先の手数料収入を得るための業務を強化する動きがあります。
確かに,M&Aや事業承継等専門知識を持つ行員の養成も重要な取り組みですが、マネタライズを錯覚すると、金融機関の都合を押し付ける営業スタイルからは抜け出させず、結果的に、顧客からは支持を得られることは無いと思っています。