日本経済新聞 中国版「地域金融のいま」の最終回「黒子の献身」に登場するのは、なんと島根県信用保証協会でした。
島根県信用保証協会は、中小小規模企業の経営改善 / 事業再生の分野では、信用保証協会業界はもとより、どこの地域金融機関よりも長い歴史 (27年) があります。かつては金融機関も保証協会も回収一辺倒だった中で。
島根県信用保証協会は、中小・零細企業の経営者と膝を突き合わせ、資金繰りと損益の改善を手助ける伴走支援を徹底しています。
~当初は1人だった中小企業診断士も今では21人に増えた。常勤職員に占める比率は28%と、全国の信保協で最も高い。顧客のピンポイントでの課題に対応するため、フードコーディネーターやデザイナーといった専門家派遣事業も手掛ける。一連の経営支援では手数料は取らない。小野支店長は「保証したお金が返済できそうになくなった時こそ、寄り添うのが保証人として当たり前だ」と話す。金融仲介の調整役という黒子が、島根県では光っている。(本文より)
記事に登場する小野支店長に早速、電話を入れてみました。
「保証人は、経営者が困窮しているときに『金返せ』とは言いません。『大丈夫か? 何か私にできることはないか?』と言うはずです。」
目からウロコが落ちるコメントです。
全国に51ある信用保証協会中には、住民票を発行するが如く保証業務を流しているところもありますが、この小野さんの言葉をかみしめてほしいですね。
さて、
日経中国版の「地域金融のいま」の連載は充実した内容でした。
メディアの地域金融の記事は、「再編と手数料ビジネス」と相場が決まっており、苦々しく思っているのですが、今回の視点での記事は多くの中小小規模事業者に読んでもらい、取引金融機関との違いを実感していただきたいものです。
最後に当記事を担当した田口記者の声を引用します。
~顧客の業況悪化に伴う与信費用は増え、債券などの含み益も焦げつこうとしている。地域金融機関が置かれている収益環境は確かに厳しい。そうした中でも地場企業の創業、成長、事業継続、再生を含めた金融仲介と本業支援に取り組めるかが、地域経済の生き残りに直結する。
広島市信用組合、吉備信用金庫、島根県信用保証協会に共通するのは組織的に、また継続的にリレーションシップバンキングに取り組めている点だ。証券業務や手数料ビジネスを次の収益源にしようとする金融機関も多いが、中小・零細向けのリレバンを深めることが先決だろう。「融資を実行して一丁上がり」では、顧客に見捨てられる日も近い。(本文より)
コメント
島根の至宝。
日経は、自分の頭で考えて取材し、その価値を認めた。
ただ、島根は、至宝の価値を使いきれていない。オノケンさんだけではない。島根県信用保証協会の逸材たちの価値を使いきれていない。
ネットワークのスーパーハブがあるのに、接続せず(或いは、接続させず)、優先順位が間違っているからではないか。
ネットワークがあり、優先順位が正しくないと、本当の意味での変化は起きない。
島根以外も、また然り。