🚩二極化、看過できない

5月2日のブログでコロナ禍で苦境に陥った事業者に対し地域金融機関が行うべきは、

①事業者の財務基盤の安定化、

②速やかに事業者の新たな収入の道を一緒に考える、

③新しい事業展開も含め再成長の道筋を一緒に考える、

と書きました。

5月になり、いよいよ民間金融機関を窓口にした実質無利子・無担保融資(→ゼロゼロ)が始まります。 これにより危機時の資金供給の...

5月に入り、無利子無担保融資(ゼロゼロ)の民間金融機関での取り扱いがスタートし、中小小規模事業者の流動性対策(Liquidity)の枠組みは大きく改善しました。

バランスシート対策(ソルベンシー)の方も、資本性融資の民間金融機関の取り扱いが始まり(遅まきながら)、優先株、永久劣後融資などの議論が出ています。

資金繰りにしてもバランスシート対策にしても上記の①の仕組みができたことに過ぎず、それを担い手である地域金融機関がスピーディーかつ適切に行うかが問題です。

遺憾ながら地域金融機関が、すべからくこの仕組みに則って地域顧客のために動いているかと言えばノーのようです。

たとえば、ゼロゼロを優良事業者に「早い者勝ちのいい商品だ」と持ち込み、当該事業者からこの商品を必要とする事業者のところになぜ行かないのかと苦言を呈されるようなケースが多発しています。

所詮は自己中心の物売りで顧客本位からは程遠い惨状です。

恥を知れです。医療従事者やその他のエッセンシャルワーカーの人たちに合わす顔がありません。

金融庁や財務局の深度ある対話の力量が問われるところです。

ただ、

①の資金供給をしっかりやるだけでは、コロナ禍は乗り越えられるものではありません。

財務基盤が安定しても、コロナ禍が長期化し、その間に打つ手もなく赤字を垂れ流し続ければ、バランスシートは切り崩され、その流れの中で廃業(→地域金融機関にとっての最大のリスク)が多発することになります。地域金融機関は①に甘んずることなく、②③のステージに移行せねばなりません。それも早急に。

週末、地域金融の現場でコロナと戦っている人たちと話をする機会がありましたが、例外なく①②③を同時並行的に進めていました。

とくに印象的だったのは、コロナで時間的に余裕ができた(仕事が激減)事業経営者に対して、事業の見直し、従業員教育を一緒に行おうと働きかけていることでした。

コロナ禍で地域金融機関の二極化がますます顕著になっています。

金融機関の提供するサービスが、担い手によってこれだけの格差を生み出していること、もはや看過できません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする