🚩現場との距離の差

日経朝刊に森俊彦さんと高田創さんのインタビューが有識者意見として掲載されています。

高田さんの「地域金融機関の売り上げの多様化、たとえば商社化」というのは顧客の視点ではありません。金融機関側の目線です。

どこの地域でも卸売業があり商社機能を果たしています。その中には旧態依然として時代の変化に遅れをとっているところもあります。この業態に対しても、資金繰り支援のみならず事業面での支援(メスを入れることも含め)を金融機関が行うべきなのですが、短絡的に自らが商社機能を持つというのには大いに違和感があります。

これに対し、森さんの論調は常に中小小規模事業者に伴走し、地域金融機関のしぶりを真横で見ている人ならではの説得力があります。

率直に言って、現場との距離の差を感じました。

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コメント

  1. 長川康一 より:

    森さんの「廃業を検討する企業には再就職も含めた早期の廃業支援をすべきだ」という意見は重要です。頑張れる企業への応援という視点はだけでは地域再生は難しく、存続難しい企業が軟着陸できる支援そして政策が必要です。これから金融機関に大きく突き付けられる課題として浮かび上がってくるはずです。

  2. 高見守久 より:

    信用金庫での在職期間が長かった私にとっては、森さんのご意見のほうが共感し、胸に突き刺さるほどの衝動がありました。ただ、高田さんの金融機関が商社的機能を持つということも、地域活性化に積極的に取り組んでこなかった地域金融機関としては大いに参考にすべきと思います。

  3. keijishima より:

    あくまで私見ですが、地銀の商社機能については所謂「卸や販売機能」ではないと思います。既に地域の企業は大手商社や卸売り業者を利用しているのが現状ですし、そこに地域金融機関の商社機能が割って入るのは何の付加価値も生まないと言っても過言ではないでしょう。(販路拡大のためのビジネス斡旋はあり得ると思いますが)

    ただ、地域の企業が新しいビジネスを立ち上げるにあたって何が不足しているかと言えば、幅広い情報収集能力とビジネスを形にしていくうえでの人材です。
    大手商社も有望なビジネス分野には、商社の持つ情報ネットワークを活用し、また優秀な人材を投入することでその分野を育てていきます。
    それの地域版として、地域のお取引先が新しいビジネスを立ち上げる時(または既存のビジネスにおいてもその競争力を強化したり再建を図ったりする時)、地域金融機関の持つネットワークでの情報提供や優秀な人材の派遣は、地域金融機関の使命でありそれこそが地域金融機関が設立する地域商社の役割だと思います。

    まあ、銀行本体でやっても良いのですが、そうするとプラスアルファのサービスになってしまい収益力強化しにくいので、子会社として地域商社を設立すると言ったところでしょうか。