本日の日経記事、「上場地銀、半数が減益・赤字 与信費用は1割増どまり 4~12月、政府の資金支援が効果」です。
コロナ対応の制度融資による止血が効いているようですが、残された効力(据置期間)はわずかです。
~21年3月期の連結純利益は計6301億円で5年連続の減益となる見通し。日本金融人材育成協会の森俊彦会長は「中小企業の経営は春以降が正念場。事業改革まで支援できるか地銀も役割を問われる」と強調する。(同記事)
森さんのコメントの通り、事業改革支援までやれるかどうかがカギになるのですが、これを怠ると「廃業の嵐」が待っています。
地域金融機関は信用リスク管理の視点から倒産確率は計測していますが、廃業にかかわるシミュレーションをおこなっているとの話はあまり聞こえてきません。
昨年6月の金融庁における政策評価に関する有識者会議の議論を思い出します。
~事業者の数が急激に減る場合のストレステストというのが今までの議論の中ではあんまりなかったと思うんですね。ストレステストといえば、信用リスクであったり、金利であったり、そういうものだったのですが、いわゆる地域がなくなってしまう、顧客基盤、収益基盤がなくなってしまうリスク、これが実は一番怖い。この点について最近恐ろしさを感じています。(p14、第29回政策評価に関する有識者会議=2020年6月23日=の議事録)
https://www.fsa.go.jp/seisaku/gijiroku/20200623gijiroku.pdf
備えあれば憂いなし。
「事業改革支援」を行うことこそが「備え」です。