リレバンはヒトの仕事そのものですが、それを組織的継続的なものとするためには、業績評価と人事考課がポイントとなることは言うまでもありません。
間違いなくアウトなのは、目の前に人参をぶら下げるような歪んだ短絡的成果主義であり、その業績評価と人事考課の相関度が高いようだと重篤です。大手術が必要です。
その一方で、業績評価の「ボリューム目標を撤廃」し、マイナス金利という厳しい環境下にもかかわらず、好調な地域金融機関が注目を集めています。
衆人の目はノルマ廃止に行きがちですが、評価方法を変えただけで金融機関の業績は好転するわけがありません。
「ノルマを廃止したら業務が悪化するのではないか。だから業績評価の見直しには踏み切れない。」
このように吐露する地域金融機関の経営者は多いのですが、ノルマ廃止という表層だけでなく、その土台となるインフラの重要性に気づいているのでしょうか。
私なりにインフラ構築の柱を列挙してみます。
① 本腰を入れた BPR
② 情報武装の仕組みづくり (顧客情報、顧客との交渉情報、業界情報、地域情報など)
③ ワークライフバランスの仕組みづくり
④ 業務スキル関連の研修のレベルアップ
⑤ ヒトとしての人材教育 (金融人である前に人間として)
⑥ マネジメント教育 (リーダーを育てる)
いずれもコストですが、そのためにかかる費用は投資そのものです。
管理会計上、これらに要するお金を「投資勘定」に計上できないものかと考えたりします。難しいでしょうが。
プロダクトアウト以外のところで収益 (与信費用の減少も含む) が上がってくれば、投資効果が出たということになるでしょうね。
経費削減と、なけなしの含み益の取り崩しで、決算数値を作るのに汲々としている地域金融機関の経営者には到底できない芸当です。
「赤字決算覚悟で構造的なビジネスモデル変革に取り組む」経営者の方が、はるかに評価されると思うのですが。
こういう経営者が何人出てくるでしょうか、今年は。
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