入社式の訓話報道は4月はじめの風物詩です。
本日の各紙には、地域金融機関の入社式における経営トップの話のポイントが掲載されておりますが、以下その印象を書いてみます。
マイナス金利やフィンテックという環境変化の中で、新入社員に対し「挑戦」「スピード感」を求めるものがマジョリティです。
前例踏襲で横並び意識が強いルールベース症候群であり、お世辞にも挑戦をしているとは思えず、スピード感のないレイジーバンクのトップがこういう発言をするのに唖然としました。
予想通りといえばそうなのですが。
新入社員に対して「やれ!」と言う前に、「まずは、ご自身が率先垂範するべきでは」、、、
その一方で「思いやり豊かな人間力」「多様な個性を持ち味として」といった、ヒトとしての生き方を伝えるトップの姿がありました。
「ヒトとしての生き方」を新入社員に語りかけたのは、いままで顧客本位の持続的なビジネスモデルにスピード感を持って挑戦してきた経営者です。
金融機関の最重要資産はヒトです。
厳しい環境を言い訳にせず、真の意味で顧客本位を追求してきた地域金融機関の経営者のたどり着くところは、ヒューマン アセット マネジメントなのでしょう。
挑戦だ、スピード感だ、と宣っているようでは “周回遅れ” と言わざるを得ません。
番外編:
こういう訓話もありました。
「しばらくはイメージと現実のギャップに向き合うことになるが、上司や先輩、同僚と十分なコミュニケーションをとれば心配はいらない」(日経新聞地方版)
正直といえば正直なのですが、こういう話はトップというよりは、現場の支店長が新入社員との間で行う類のものでしょうね、笑。
実にこの頭取さんはいつも話題を提供してくださいます。次は何をおっしゃるのか、注目しております。
コメント
「挑戦」とか「スピード感」てのは実にごもっともなことで、もちろんご自身に(も)仰言ってるのでしょう。
偶々ですが、昨日、全銀協新会長のインタビュー記事を読みましたが、なかなか思い切ったことを、と素直に受け取りました。
この方のメガバンクは、顧客サービスの(ワタシ個人向けの、ですが)あまりのピントのズレ方に呆れて(莫大な)預金を引きあげたところ(これもどこかに書いたな・・・)なんですが、この方が率いて少しはマシになったのかなあ(と思わず期待してしまう・・・)。
全銀協の会長インタビュー、読みましたよ。
襟裳岬が出たりして、良いこと書いていました。
ただ大きな認識相違があると某有識者が言っていました。やはりメガバンクの経営者は大企業しか見えていないということでしょうね。
「 日本企業の6割は実質無借金経営 」の意味が、藤原さんには分かっていない。
①金融機関に対する不信感で、2度と金融機関から借りたくない。
②残り4割は、赤字・債務超過など非常に厳しい経営環境にある。リスケ40万社問題も。2極化が大。127万社が廃業危機。