地域銀行の持株会社の役割は変わる

地域銀行の決算が出揃いました。

決算発表の席上、メディアの方から2つの質問が例外なく行われたようです。

① 4月11日の「地域金融の課題と競争のあり方」報告書の中にある県別分析の内容をどう思うか? (報告書のポイントは、そこではないんですがねぇ。)

② 統合合併の可能性は?

先週、ワタシも某地方銀行の決算発表の場に忍び込んで傍聴したのですが、「やはり」でした。

本日の日本経済新聞 東北版にもその様子が描かれています。

「 金融庁の有識者会議が出した報告書は、地銀経営について東北は岩手、山形、福島の3県は1行なら単独でも存続可能だが、青森と秋田は1行単独でも不採算になるとした。これについて決算会見では各銀行の頭取からコメントが相次いだ。
 フィデアHD傘下の北都銀行の斉藤永吉頭取は『大変粗い分析で真に受けるのはどうかと思う』と指摘。ただ『人口減に対する危機感は持っており、対策は取っていく』と語った。みちのく銀行の高田邦洋頭取は再編について『選択肢から排除しないが、顧客のためになるかどうかという視点で判断する』と述べた。
 東北銀行の村上尚登頭取は『金融庁が公表した意図がわからない』としたうえで『規模拡大だけの統合は考えていない』と話す。」

各頭取さんのコメントは誠にごもっともで非の打ち所がありません。

さて、

経営統合や合併のワンパターンの質問に関していえば、一緒になって大きくなることだけではなく、別の可能性についても聞いてほしかったですね。

たとえば、かつて資本不足で経営統合した持株会社が、危機を乗り越えたことを踏まえ、それぞれの地域銀行に再分割するとか。(該当しそうなところがありますよね、、、)

従来、地域銀行の持株会社は資本不足で苦しむ銀行のための救済的措置で使われました。健全な地域銀行同士の資本統合は、丸呑みの片寄せを除けば、ワタシには理解不能の代物です (スケールメリット追求や効率化はアライアンスで対応できることです)。

これからの地域銀行の持株会社は、メガバンクと同様に、傘下に様々な機能のグループ子会社をぶら下げて、多面的総合的に地域顧客のために活用するというパターンへと変遷していくものと考えます。

自由な発想を持っているはずのメディアが思考停止では困ります。

喝‼️


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