ないものはない

  島根県隠岐島の海士町(あまちょう)の玄関口、菱浦港に着くと、ポスターが目に入ります。

「ないものはない」

  無い物ねだりはやめて、島にある良いものをみつけようというメッセージで、この島の生き方を宣言しています。

  海士町は10年余り前は夕張と同じでした。それが町長と役場の職員の給与カットによる支出削減と「総合サービス商社」としての収入アップにより、最悪期100億円だった借金の大幅削減に成功しています。

  総合サービス商社の担い手は役場職員、地域事業者、そしてIターンの若者たちです。現在、海士町に人口2300人のうち300人はIターン族。

  CASという素材の細胞を壊さない冷凍技術を導入し、海産物の鮮度を保ち、在庫を持てる仕組みを作り、さらには商品開発や首都圏などへのマーケティングを展開しました。

  CASを導入した自治体は他にもありますし、海産物で地域活性化を目指す地域は数多ありますが、海士町が卓越している理由は、「本気度。体を張ってやる。」ということ。

  役場の職員が本気でやれば、それを見ている地域住民は間違いなく変わる。いまや、海士町の住民は役場に何かをやってくれとは言わないそうです。


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