ものづくりの歴史と自動車産業

  今日は長い一日でした。

  朝、名古屋を出て、岡崎に向かい、午後は仙台まで移動しました。

  岡崎をはじめとする三河地区は車関連を中心とする製造業の集積地です。一方、仙台は消費者立地の都市であります。まったく対象的な地域です。

  そもそも製造業の強い地域には、それを裏付ける「ものづくりの歴史」があります。東海地区や北関東の自動車産業の町の歴史は「織機⇒二輪車⇒四輪車」や「織機⇒飛行機⇒四輪車」という流れであることは周知の通りです。

  東北地区を例にとれば、米沢市には繊維業、山形市には鋳物、岩手県南部には弱電といった「ものづくり」のバックグラウンドが、それなりにあるのです。

  ところが、宮城県にはそういう「ものづくりの歴史」は稀薄といわざるを得ません。農業や水産業、そして気候条件に恵まれた人口集中ならではの消費者立地産業で成り立っている地域と言えるでしょう。

  その宮城県が自動車産業を大々的に誘致してきたわけです。かつて、北九州においても自動車産業が大移動してきましたが、北九州は全国的にも有数の製造業の集積地。ところが宮城県にはそれがありません。

  ものづくりの歴史の薄いところで自動車産業を基幹産業(地域経済への波及効果が大きい)に育て上げるというのは、大きなチャレンジだと思います。

  今晩は仙台において地元の有識者の方々と勉強会を行いましたが、その席上、宮城県は自動車産業誘致のために「みやぎ発展税」という県税のほとんどを投入したとの話を聞きました

  地域としては乾坤一擲の勝負に出たんでしょうね。今後の展開を注視したいと思います。


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