松江市郊外にある神魂神社(かもすじんじゃ)の話、”続編”です。
神魂神社の地は、天孫族が、高天原(たかまがはら)より、出雲王朝を牽制するために進駐軍司令官として派遣した「天穂日命(アメノホヒノミコト)」が駐屯した場所だと言われています。
昭和30年代に、この地を訪ねた司馬遼太郎さんは、そのときの印象を、「生きている出雲王朝」(「街道をゆく夜話」=朝日文庫に収録)という短編に次のように書いています。
「私は、苔をふんで、上へのぼりきったとき、思わず息をのんだ。そこに奇怪な建物があった。これは神殿にはちがいない。しかしおそらく最も古い形式の出雲住宅なのであろう。太い宮柱を地に突き立て、四囲を厚板でかこみ、千木を天にそびえさせただけの蒼古とした建物が、山ヒダにかこまれて立っていた。この建物の何代か前の建物は、天穂日命の住居であったはずだった。」
前回、私が神魂神社に行ったのは、昭和39年秋の中学校の遠足でしたが、「質素だけれど、とても荘厳。」(ボキャブラリーが極度に貧弱なので上手く表現できません)と感じました。
このことは今でも鮮明に覚えています。
いまの流行り言葉で言えば、パワースポットとでもいうのでしょうか、ゾクゾクッとしたことを思い出します。