ベンチマークは何のため

本日の日本経済新聞の長野版を見て、「やっぱり」⤵︎と思いました。

検討会議の議論を踏まえ、金融庁が金融仲介のベンチマークを求めて1年が経過しました。

業界誌などでもベンチマーク1周年特集などが組まれています。

私は金融庁の検討会議において、ベンチマーク導入に向けての議論を行なった当事者の一人ですが、まだまだ真の狙いのところまで到達していないと思います。

ベンチマークは地域金融機関が「顧客本位の持続可能なビジネスモデル」によって「地域顧客との共通価値の創造」を実現していく際に、進捗状況を見るための指標です。

各金融機関は、金融庁がひな形として示したベンチマークだけでなく、地域性や経営の個性を踏まえた「独自のベンチマーク」を競うように出しています。

本日の日経長野版では、長野県の地域銀行や信金信組の出している「独自のベンチマーク」が紹介されていましたが、中には性根の入っていないものもあります。

それ以上に問題なのは、このベンチマークが顧客に認知されていないことです。

ベンチマークは、一次的には地域金融機関と金融行政 (金融庁、財務局) の対話の手段なのですが、真の狙いは地域金融機関が地域顧客と対話をする上で、この指標を使うことなのです。

地域金融機関が地元融資先企業にベンチマーク情報を開示し、企業が金融機関を選ぶ際の参考情報として活用することが想定されているわけです。

日経の記事によると、長野県内の企業経営者からは「見たことがない」との回答が一様に返ってきたとのこと。

さらに、金融機関側のコメントとして「他の金融機関と比べてベンチマークが優れているから融資を受けるという話は聞いたことがない」。

他人事ですねぇ⁉︎

ベンチマークで顧客との対話を行なっていないからではないですか。

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