商工中金在り方会議

本日の新聞報道にある通り、昨日は第1回目の「商工中金在り方会議」(あり方会議) でした。

世耕経済産業大臣の冒頭の挨拶のあと、メンバーが歯に衣着せぬ意見を連発し、予想通り活発な議論となりました。

この会議はオープンで行いましたので多くのメディア関係者が傍聴していましたが、傍聴者からは「ありがちな審議会などと違って、役所からの振り付けもなく、みなさん自由に討議されていて、非常にエキサイティングだった。」といった感想をもらいました。

商工中金は完全民営化が先延ばしされ、現状は資本面では純資産の7割が政府出資等、資金調達面では5割を占める利付金融債が政府保証という半官半民の組織です。

今回の不祥事の温床となった「危機対応業務」をどうするかというのは、この会議での大きな論点ですが、この危機対応業務を行うことが商工中金の公的サポートの拠り所 (法律上も) になっていることには無理があると思っています。

「危機対応業務は民間が手を挙げないから商工中金 (政策投資銀行も) がやっている、だから公的サポート」という建て付けになっていますが、民間金融機関はなぜ手を挙げないのでしょうか? この点は民間金融機関サイドの意見を聞きたいところです。

東日本大震災などの危機時には100%の信用保証や震災対応の公的支援スキームなどの緊急対応がなされます。民間金融機関は危機対応業務ができなくても、これら緊急対応措置などを駆使して災害地での金融仲介機能を果たしたというのが私の印象です。

私は、危機時の危機対応業務を公的サポートの拠り所とすること以上に、

「平常時の民業補完機能」

を商工中金の半官半民の拠り所として明快に位置付ける必要があると思っています。

「平常時の民業補完機能」は昨日の会議で発言したのですが、具体的にいうと、ミドルリスク層(業況の芳しくないものの地域にとってなくてはならない事業者)への円滑な金融仲介や本業支援、中小小規模企業の事業再生を支援することです。

この分野は民間金融機関が必ずしも真摯に取り組んでいるとは思えず、完全に二極化しています。

さらに言うと、二極化の中で真摯に取り組んでいる金融機関の方が収益性が高いのも事実です。

こういう問題意識を持って、次回以降の議論に臨んでいきたいと思っています。


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コメント

  1. Johnd574 より:

    The principle isn’t to artificially turn out to be effective, dekbcbbkeaed