間接金融にもESG

12月8日にプレスリリースされましたが、環境省は環境政策の骨太の方針を打ち出す「中央環境審議会」の提言等を踏まえ、来年初から「ESG金融懇談会」をスタートすることになりました。

持続可能な社会の形成に向けた取組みを「金融」の面から後押ししていく施策の第一歩だそうです。

ESG金融懇談会では株式市場という直接金融の世界だけではなく、間接金融、すなわち地域におけるローカルファイナンスでのESGについての議論も併せ行う予定とのことで、私もメンバーとして参加することになりました。

Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治) の ESGに、R(Regional = 地域)を加えて、ESGRとすべしと細々ながら主張している身としては、こういう機会をもらって嬉しい限りです。

本年7月に GPIF が ESG投資(インデックス)を開始するなど、直接金融の世界ではESGへの認知度は高まっています。

ところが、地域の中小小規模企業となると上場しておらず、ESGは関係ないとの認識がありますが、ESGの視点は地域事業者にとっても今後の持続と成長を考える上で、無視するわけにはいかないでしょう。

今後、地域銀行や信用金庫などは、ESGの要素を加味した上で地元事業者との取引を深めることが求められます。

中小小規模企業への融資の審査の際のチェックポイントにESGの視点が入ってくることは間違いなく、これこそが地域事業者の持続と成長、さらには豊かな地域社会に向けてのキーワードとなるものと思います。

金融行政方針にもあるように、地域金融機関は「顧客本位の持続可能なビジネスモデル (顧客との共通価値の創造)」の構築を金融庁から求められていますが、ESGなくしてこれを実現することはできません。

そして、ESGの視点で地元事業者との共通価値の創造を行なっている地域銀行の株式は、間違いなく機関投資家のESG投資の対象銘柄になることでしょう。


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