本気度のあるベンチマークやKPIですか?

本ブログでも何度も繰り返している通り、金融行政の視座は「過去から現在の健全性」から「将来の健全性」へと大きくシフトしています。

金融機関は「将来の健全性」が確保できるしっかりしたビジネスモデルを構築し、それを実践していかねばなりません。

顧客本位の持続可能性、顧客との共通価値の創造、フィデューシャリー デューティー、組織的継続的な取り組みなどがキーワードになることは言うまでもありません。

金融行政サイドは、そのビジネスモデルの内容と具体的な進め方が、「将来の健全性」を展望し、果たして適格なものかどうか、この観点から金融機関への対話を行うものと考えられます。

ビジネスモデルの内容と実施状況から見て、将来の健全性に資するものとは判断できない (金融機関側が説明できない) となると、金融行政サイドの「対話」は「深度のある対話」へと変わり、それでも金融機関側の対処が不十分と判断されれば、銀行法24条報告、さらには業務改善命令へとつながるものと推察されます。

「金融処分庁から金融育成庁へ」を標榜しているからといって、処分はないと安心するのは早計です。

「将来の健全性」という未知のものへのプロセスがポイントとなる以上、金融機関はビジネスモデルに関するベンチマークやKPIを設定し、時系列的にそれらの数値でビジネスモデルの実効性をしっかりと検証しなければなりません。

金融行政サイドとはそれらの数値をベースに説得力のある対話を行うことが求められます。

金融仲介に関わるベンチマークやKPIは、「将来の健全性」のために必要不可欠な計測手段と断言できるのです。

やらされ感で作ったその場しのぎのベンチマークやKPIでお茶を濁している金融機関は少なくありませんが、そのような考え方は根本からたたき直さなければならないでしょう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする