フィーだけを追いかけるレイジーバンク

2025年には、127万社の後継者未定の廃業予備軍があるとの経済産業省の推計があるように、中小企業の事業承継は待ったなしです。

地域金融機関も事業承継を喫緊の重要課題ととらえ、動いているようですが、多くの金融機関がこれをフィービジネスとして取り扱っていることには、大いに違和感ありです。

収益機会と考えることを全面否定するわけではないですが、「フィービジネス→ M&A」との思考回路から、M&A業者への丸投げに走ったり、それなりのフィー収入が期待できる規模の事業者にばかり目がいっているように感じます。

その一方で、小規模事業者は放置されているといっても過言ではないでしょう。

この層における事業承継の際のネックは、間違いなく経営者保証です。

2013年の「経営者保証制度に関する検討会」(金融庁、中小企業庁が主催) に参画したこともあり、経営者保証ガイドラインの活用状況が非常に気になります。

こういう声が聞こえてきます。

「事業承継において、事業内容を十分に見ることなく、新旧経営者から保証を二重取りしていたり、担保でフルカバーされている先から個人保証を機械的にとっているケースがほとんどだ。」

このままでは、担保・保証依存べったりのレイジーバンクの地元において小規模企業は絶滅します。

「地元の事業者数が減少して大変だ」と他人事のように嘯く地域金融機関が多いのですが、呆れてモノが言えません。

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