レイジーバンカーの意味不明の発言

「長官が変わったら金融行政は元に戻るのでしょうか?」

先週も (「も」です) こういう質問を受けました。

この3年間の金融行政は

「(銀行法一条にある) 銀行の活動は国民経済の発展に資するものでなくてはならない。行政はそのために何をすべきか」

を追求するものといっても過言ではありません。

「国民経済の発展に資する銀行のあり方」を究明するにしては、金融サービスの受益者である中小企業と、金融庁との間で直接のコンタクトがなく、それが大きな課題でした。

かつて金融庁は間に入っている金融機関経由で地域企業や地域経済の情報を得ていました。

3年前から中小企業ヒアリングやアンケートを導入し、 disintermediate したことは大きいと思います。

金融庁は中小企業の意識や地域経済の実態が良くわかるようになったし、金融庁の意向を知った中小企業も目覚め始めています。橋本卓典さんの「捨てられる銀行」三部作の果たした役割も大きいですね。

毎年3月、財務局主催の「金融仲介のシンポジウム」に出席していますが、パネリストとして登壇する中小企業経営者が本音で語るようになっています。その内容は正鵠を射ており、レイジーバンクを震撼させるものです。

中小企業が自己中心の地元メインバンクに愛想をつかして本社を移すような動きすら出始めています。当然でしょうね。

これらは金融庁と中小企業との距離が縮まったことによる成果であることは間違いありません。

先日、金融庁の政策評価についての会合があったのですが、その席上で、「金融庁と中小企業との接点をもっと太くすることを考えるべき」との発言をしました。

「国民経済の発展に資する」ための金融行政が、元に戻ることを望む人たち (レイジーバンカーです) は、どういう風に戻ってほしいのでしょうか。

そのように問い返すと「………」


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