銀行員、大失業時代??? (前半)

「銀行員の大失業時代、就職ランキングでは金融機関が凋落‼️」

そういう特集の雑誌や本が売れるようです。

う〜ん、ちょっと待ってください。

金融機関のバックヤード (事務等の管理部門、営業部門のサポート機能など) は、AIフィンテック、ロボットの世界に席巻される、その通りです。

顧客接点も金融商品のモノ売り (トラバン=トランザクションバンキング、プロダクトアウト) である限り、”人知”の出番は限られています。

もし、金融機関の仕事がこれらだけならば、大失業となり、就職人気の下落もうなずけます。

ところが、そんな単純な話ではありません。

5月30日の本ブログ「真の地域金融機関はヒトが足りない」の通り、組織的継続的なリレバンを展開するには明らかにヒトが不足しているのです。

さて、

地域金融機関で早期退職がますます顕著になっているようです。

雇用者サイドからは「若いやつは我慢が足りない、顧客とのコミュニケーション能力不足」などという声が大きいのですが、ワタシは違うと思っています。

地域金融機関で働く“若い衆”の多くは、高度成長期やバブル期に就職した役員や幹部の世代に負けず劣らず、場合によっては、はるかに「地域のために働きたい」という意欲を持っていると感じます。

彼らが道半ばで組織を去る理由は、地域金融機関という組織がその経営理念から逸脱し、顧客本位ではなく自己中心となっても何とも思わないことに失望したからに他なりません。

社是に背いたことしかやらない経営陣へのレッドカードなのです。

「地域のために働きたい」という意欲ある若者たちが、地域金融機関を去ったあとに向かう先は地方公務員の世界です。

「地銀や信金からの中途採用者は良い人材が多い」

県庁、市役所、その外郭団体からの声です。

この流れを否定するつもりはありませんが、公務員だけが増えて、ギリシャのようになっては困ると思っているワタシとしては、「辞めると決めたならば、地域GDP増加に貢献できるようなステップを選んでほしい」と思うのです。

そうなるとコンサルタント会社への転職という展開になります。

某週刊誌の特集記事でも転職先としてコンサルが上位を占めていました。

その実態は、、、

(続きは明日)


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コメント

  1. ミザール より:

    いつの時代にあっても経営で一番肝心なのは人材。

    今、多くの金融機関は経常収益を上げられない中、人件費・経費圧縮で収益をどうにかしようと四苦八苦している。経営者から新たな方針など示されることもない環境の中では、金融機関に勤める者には張り合いや希望は見いだせない状況にある。

    金融機関経営者の多くが方向性を示せないのは、トラバンとリレバンの意味・違いが分かっていないと私は思っている。それ故新たなビジネスモデルなど考えることができず、当局やマスコミが取り上げる金融機関のやり方を真似てみるのが精いっぱいなのではないか。リレバンが当局から示された時と同じく、自分で考えることができずやり方を当局に請い兎に角その形にまとめるという対応である。

    私は、今、地域金融機関がビジネスモデルとして参考になるのは、「ライザップ」ではないかと思っている。体づくりやゴルフが上手くなりたいというクライアントに対し、専属トレーナーがついて、目標を明確にし、運動の仕方から食事の管理、更には悩みやくじけそうになる相談役となりアドバイスもし目標管理を行い、ついには達成させ共に達成を喜ぶ、そしてその後のアフターフォローにも抜かりがない。

    「ライザップ」が良いか悪いかの評価は別として、顧客のニーズをしっかり掴んでそれを絶対達成させてあげるという仕事の仕方は、今金融機関に求められていることではないか!

    こう考えればおのずと、金融機関が対応準備しなければならないことは絞れてくる。まずは第一に人材教育と訓練である。この方向性が分かれば社員・金融機関志望者にとってもしっかり頑張れる筈である。