茹でガエル🐸たちに告ぐ

昨日は金融庁での「政策評価委員会」と「金融仲介の改善に向けての検討会議」のダブルヘッダーでした。

議論に参加し、論客揃いのメンバーの話を聞きながら、もはや躊躇している時間はなく、スピーディに動いていかねば地域金融はとんでもないことになると痛感しました。

地域金融が崩れるということは地域経済が崩壊することにつながります。地方創生どころの話ではありません。

昨日の議論をワタシなりに総括し、次にあげる3点を重要なポイントとして列挙しておきます。

(1) 決済などのインフラ機能やプロダクトアウトのトランザクションバンキングの世界では、デジタル化の波は思いのほか早く、非金融業界からの参入は当たり前、さらにグローバル単位で考える必要があります。銀行同士の統合合併や業界団体でどうこうするというレベルをはるかに超えています。

(2) その一方にはリレバンの世界があり、こちらの方は顧客接点の強化が生命線となります。欧米の地域金融機関は日本のそれよりもはるかに規模が小さく、日本でも組織的継続的リレバンで成果を上げている金融機関のトップは、意味不明な拡大を目指すことなく「適正規模」を念頭に置いています。ぶら下がり融資で単にボリュームを追求するような技を使いません。正解です。

こういう視点で見ると現在の地方銀行のサイズでも大きすぎると思います。救済合併でもない限り、このサイズから統合合併でスーパーリージョナルバンクなんていうのは「???」です。

ワタシは、これからは県単位ではなくコミュニティ単位での地域金融機関が主流になるのではないかと考えています。コミュニティに金融機関がない地域では新たに作れば良いのです。

長崎の合併騒動も長崎県の各地にコミュニティバンクを作れば解決するのではないでしょうか。そうなれば、顧客軽視としか思えない2つの地銀は、合併したければさっさと合併すれば良い。どうぞご勝手にです。

顧客接点と資本以外のところは、広域や業界を乗り越えた業務提携などで徹底的にスケールメリットを追求することになります。

リレバンのビジネスモデルは、顧客接点は「職人の世界」、バックヤードは広域化、さらには非金融も巻き込んだ「標準化の世界」という複合体になっていくでしょう。

(3) 上記のような流れの中で、地域金融機関が生き残れるかどうか (→ 地域の浮沈がかかっている) は、経営トップ次第です。

地域金融機関のトップの育成、トップを生み出す土壌ともいえるガバナンスの重要性はますます高まるでしょう。

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