問題ある企業風土が焦点に?

金融庁の平成29事務年度における地域金融行政でポイントとなるのは、「将来の健全経営を実現するための顧客本位のビジネスモデルの構築」です。

このようなビジネスモデルの持続可能性やそれを支えるガバナンス等に課題を抱えている地域銀行には、実際にオンオフのモニタリングが行われました。

いずれモニタリング結果は公表されると思うのですが、目先の利益にこだわり、身の丈をわきまえずリスクマネジメントを怠り、PDCA分析も行われず、問題は先送り、希望的観測によるお粗末なビジネスモデル (とはとても言えない代物) の実態 が、あぶり出されることとなるでしょう。

原因は経営陣にあることは疑問の余地がなく、そういう経営陣の存在を許すガバナンスこそが元凶なのです。

ここまでは、

本事務年度のモニタリングによってたどり着くであろう結論と推察されるのですが、

来たる事務年度のモニタリングでは、地域金融機関の「企業風土」のところに切り込む必要があると考えます。

2年前のベンチマークの議論でも、その究極は「企業風土 企業文化」であるとの趣旨で、従業員の満足度や定着率、コンダクトリスク (優越的地位の濫用、自己都合の金融商品販売、不祥事件の発生等に絡むもの) などが KPI として俎上に上がったことがあります。

企業風土や企業文化に問題があると、金融機関にとって最も重要な資産 (無形資産ですが) である、ヒューマンアセットに亀裂が走ります。

早期退職者が大量に発生している地域金融機関は、いくら過去のバランスシートに支障がなくても、将来の健全性を担保するためのビジネスモデルを構築することが困難 (ベースとなるヒューマンアセットが崩壊) なるのではとの視点からモニタリングの対象になるかもしれません。

というか、ワタシはそうあるべきと思います。

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コメント

  1. ミザール より:

    将来の健全性は、従業員がやりがいをもって顧客に喜ばれる仕事に取り組んでいるかにあり、企業風土・文化を視点にすることは素晴らしいとおもいます。

    経営は人・物・金とまず第一に「人」ですが、「人」を人件費としか考えない経営者の意識を変更させるためにも、ベンチマーク化は大きな効果があると思います。