ソリューション営業の舞台裏

某地域銀行の「ソリューション営業提携先リスト」と称するものを見たことがあります。

「顧客ニーズ」→「そのための商品サービス」→「提携先」の三段票なのですが、実際の活動では矢印は逆方向のようです。

まさしくプロダクトアウトに他なりません。

たとえば、顧客ニーズが取引先の「社員の福利厚生」で、そのための商品が「自動販売機の設置」、提携先が「大手飲料メーカー」というのには笑えました。

提携先が大手飲料メーカーではなく、地元産の牛乳であったら、まだわかるのですが、苦笑。

この図式を見て、農業協同組合の「生活購買事業」を思い出しました。

生活購買事業というのは、最近あまり聞きませんが、農協の職員が組合員に対し、宝石や洋服や入浴剤など農業とはまったく関係のない商品を販売する事業です。農協に還元される販売手数料は手厚かったようです。

かつて私が訪問した数多くの農協では、職員さんたちがノルマ達成できないと、「自爆」と称し自分で商品を買っていました。職員さんの自宅には入浴剤の箱が山積みになっていたとか。

「何でこのようなことをやるのか。」

生活購買部長に質したところ、

「東京に住むあなたにはわからないと思うが、農作業はきつく、夜の入浴でリラックスしなければならない」

との回答。

その農協さんの地域は全国でも有数の温泉地が周りに点在し、車で数分走れば、好みに合った温泉に浸かることができるというところでした。

イヤハヤ、、、

そのうちに地域銀行の行員の家に自動販売機が設置される?などという、笑えない話も聞こえてくるかもしれません。

これがソリューション営業の実態だとしたら、CSどころかESの面からもアウトです。

早期退職者が増えそうです。


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