昨日の続きです。
13日の「信用保証協会 有志の会」で、業界の生き字引と言われる X さんに質問をしました。
6月22日の“全国初”という山形新聞の記事に興味を持ったからです。
= (山形)県信用保証協会が本年4月に創設された、中小企業経営者を対象とした事業承継の保証制度「特定経営承継関連保証」を全国初で受託したと発表した。= (同記事)
この記事によれば、山形県小国町の個人事業主が、同県長井市の自動車整備会社の社長 (高齢を理由に退任) から、同社の株式を取得、その際の資金を「特定経営承継関連保証」による銀行借入で調達しました。
Xさんによれば、中小企業経営者向けの事業承継の保証は、いくつかの県で従来から実績があったものの、この度、完璧を期するために制度面の整備を行なったとのこと。その一環で、個人事業主であっても事業承継のための資金調達で信用保証協会の保証を利用ができるようになったとのことです。
さて、
昨今、どこの地域金融機関も事業承継への取り組みには熱心と言われています。
ところが、事業承継を手数料ビジネスとしてとらえているせいか、相応の手数料が見込めない規模の小さい企業や個人事業主となると、目が行き届いているとは思えません。(本年5月7日のブログで苦言を呈しています)
早速、本件の背景を探ってみると、
この事業承継は手数料ビジネスのゾーンに入るような事業者規模 (巷間、年商3億円以上と言われる) がなく、多くの地域銀行は積極的対応しないような案件だったことがわかりました。
それであるにもかかわらず、顧客のニーズに真摯に向き合い、新しい保証制度に着目し、事業承継を実現に導いた貸し手である地域銀行のリレバンは本物だと思います。拍手。
さらに、本件を担当したのは入行して数年の若い職員だったことも特筆に値します。立派ですね。
摩訶不思議なことに、山形新聞には肝心の銀行名は記載されていません。
???
周知の通り、山形県には3つの銀行があります。
金融仲介のあり方検討会議の「競争政策ペーパー 」(本年4月11日) にある、悪評高い日本地図によれば、山形県は2つの銀行は生き残れないが、1行だけならば、存続できる地域です。
3つの銀行の中から特定の銀行に肩入れするのはマズイとの判断 (特定銀行への忖度?) が、新聞社サイドでもし働いているのだとすれば、それはおかしいでしょう。
レイジーバンクの対極にある、中小企業のために頑張った銀行は公表されてしかるべきです。
追伸: 上記の Xさんから連絡があり、本件の ニッキンの記事には、銀行名がハッキリと書いてあるそうです。