自己診断は臆病

2013年6月21日のブログ 「やせ我慢の人が好き」で、

〜 私の尊敬する某地域金融機関のもと経営者は、かつて自らのことを「やせ我慢と臆病」であると自己診断しました。

と書きました。

実はこの話は、「地域活性化とリレーションシップバンキング」(2010年2月、金融財政事情研究会刊) 、井須孝誠さん (稚内信用金庫もと理事長) の章にあります。

この本のインタビューのとき、井須さんは「お客様は常に見ている」、「やせ我慢経営」といったキーワードを示してくださったのですが、ワタシにとって衝撃的だったのは、自らを“臆病”と診断されたことでした。

さて、

経営トップを経験した人は「トップと二番とでは天と地ほどの差がある」と口を揃えます。

孤独な、あとのない最後の決断者。

とりわけ地域金融機関のトップは、自らの組織のみならず、地域社会に対する責任もあり、その重圧ははかりしれないものと推察されます。

この重圧をはねのけるには、自らが臆病であることを正しく認識し、しかるべき人たちの言葉に謙虚に耳を傾け、熟慮を重ね、最後は自ら決断しなければなりません。

慢心し、過信すると、人の意見は耳に入らず、視野が狭くなり、独りよがりで墓穴を掘るという展開になるのでしょう。

唯我独尊。

誰とは言いませんが、そういう地域金融機関トップにお目にかかることは少なくありません。

臆病でなければ経営はできない。

経営トップの経験のないワタシの分析はこのようなものですが、果たして。

いずれにしても、

「臆病」という単語には、すごみがあります。


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コメント

  1. 新田信行 より:

    よくわかります。みずほの常務と今とでは、ストレスのかかり方が別次元です😢💦経営者には、鋭敏な感性と、細心さが不可欠です。私は非対面取引が怖いです。マーケットの変動が怖いです。孤立することが怖いです。決断しないことが怖いです。私からすると、多くの地域金融機関のトップが、なぜ平気でいられるのか、理解出来ません。