監査等委員会設置会社。
2014年の改正会社法で導入された株式会社の形態です。
4年を経て、地方銀行でもこの形に移行するところが増えてきているのですが、今や上場している56の銀行 (持ち株会社も含む) のうち、22行 (持ち株会社を含む) が監査等委員会設置会社となっています。
一般に、監査等委員会設置会社の方が、監査役会設置会社よりもガバナンスで勝るように言われていますが、地銀業界を見る限り、ワタシにはそのように思えません。
古いタイプの監査役会設置会社には、地銀業界でトップクラスのガバナンス (社外役員6名) と行政から評価されている銀行も入っています。
一方、先進的と言われる 監査等委員会設置会社の地銀の顔ぶれを見ると、しかるべき人数の社外役員 (取締役、監査役) を揃えることができず、最低2名の社外取締役を確保さえすれば選択できるこの形式を安易に選んだのだろう、と邪推したくなるような銀行も少なからずあります。
まさに、なんちゃってガバナンスです。
そういえばこれらの銘柄は、リレバンも「なんちゃって」が多いなぁ、、、
それでも投資家の多くは、監査等委員会設置会社の方をガバナンスが優れていると自動的に判断しているように感じます。エンゲージメント(対話)も十分に行われていないのかもしれません。
さらに、
教科書的には、監査等委員会設置会社よりもガバナンス面で、さらに上を行くのが、指名委員会等設置会社だと言われています。
地方銀行でも3つの銀行(持ち株会社を含む)が、指名委員会等設置会社です。
それでは、この3つは地銀業界でもっともガバナンスが優れているでしょうか?
ワタシなりに意見を持っていますが、さまざまな見解があるでしょうから、あえてコメントいたしません。
ただ、どことは言いませんが、ガバナンスがしっかりしていれば、合併統合であれだけのドタバタ騒動にはならなかったのではないかと思っています。
地域銀行のガバナンス、まだまだ道半ばどころか、入り口で足踏み状態です。