地域金融機関トップの年頭所感の中に、ダイバーシティの重要性、価値観を測る物差しが一つではないことを行員に示したものがありました。
非常に重要な視点だと思います。
ワタシが就職した時代には、大卒の銀行員といえば法律や経済、経営といった学部の卒業生が定番でした。学部指定があったといっても過言ではありません。
ところが、ほとんどの銀行員たちにとって、学生時代の勉強が役に立ったかといえば???
さて、
昨日、朝の情報番組で弘前市でクラフトビール事業を展開しているギャレス・バーンズさんの活動が取り上げられていました。
米軍三沢基地にいたギャレスさんが除隊して事業を始めようにもなかなか資金調達できない中で、1人の銀行員が信用保証協会 (なぜか、番組ではカットされていましたが) とともに対応するという話も紹介されていました。
詳しくは橋本卓典さんの著書「金融排除」(幻冬社新書) の中に出てきます。
この銀行員、小山内創祐さんは地方創生の部署で働いているのですが、青森では有名なシンガーソングライターでもあります。
小山内さんの生歌を東京で聞いた Hさんは、直ちに通販で CD を入手したとのこと。
小山内さんを採用したみちのく銀行の杉本頭取 (当時) によれば、「小椋佳さんのような人間が当行にいても良いと思った」
懐が深いですね。
旧聞に属しますが、ワタシが某地方銀行で社外取締役の仕事をしていた時に、リレバンの本質を理解して、お客様への伴走支援をしっかりと行っていた K君は、水産学部卒です。
いずれも地域銀行の過去の常識からすれば異色の人材なのですが、型にはまった人間よりも頼もしい存在です。
そもそも地域金融の本質はリベラルアーツです。それを進めるメンバーのダイバーシティは当然ですよね。
コメント
同感です。よそ者、若者、馬鹿者を排斥する地方に未来はありません。地域金融機関も同様です。
当組も、オープンで、多様性、包摂性の組織文化にすべく、全力で取り組み中です。
小山内創祐さんは歌が素晴らしいのですが、さらに素晴らしいのは、ギャレスの支援を通じて、自らも夢(音楽)を諦めずに、前を向いていこうと音楽も銀行員としての地域創生も生き生きと頑張っているということです。
門外漢な私が言うのも変ですが、すべては作風にプラスになっているのではないでしょうか。
某ビールメーカーの広報は、Jリーガーの元選手だったりと、こうした別のキャリアがある方は、非常に輝いているのが印象的です。
社内政治で明け暮れることが仕事だと大いなる勘違いをしている方々とは雲泥の差。三途の河の向こう側に持って行けないものに、所詮、大した意味はないのです。
「おかしい」とか、「間違っている」と声をあげた途端、「天に向かって唾を吐く行為」といって排斥される文化では、けっして多様性は育ちませんね。
最近、「トップが言うことには逆らうな。合併の是非の再議論を求めるのは反逆である」とおっしゃった経営トップが、いらっしゃるとか?いらっしゃらないとか?
合併を選択した経緯も融資ポリシーも総代にさえ充分説明し、コンセンサスを得られていないとしたら・・・
考えただけでも恐ろしいことです。
まさか、そんなことがあるはずないと思いますが。
異色人材は地域金融機関には数多く存在しているはずです。
経済・経営などを学び地域金融機関に入っても、時として知識が地域にとって足枷になる時があると思います。過去の教科書知識の積み上げはあっても刻々と変わっていく地域環境への対応力があるかは疑問です。
部下の1人に商業簿記はチンプンカンプンで苦労していたけど、農学部出身で乳牛管理に精通している若者がおりました。
彼の農家の軒先で集まる情報は宝の山でした。その地域の最大産業は酪農です。その中から新しいビジネスモデルの視線が共有され農協の牙城に地域金融機関の存在をアピールしていました。
こんな素材は沢山存在しています。
銀行上がりの建設作業員として異色人材として扱われていますKです。
創業計画や資金繰りを眺めてる時は趣味の時間と揶揄されてますが、若手が夢を持って起業して、紆余曲折しながらも会社として成長していく姿を追っていける環境は銀行員では経験できなかったのかもしれません。
特に長崎県は金融異色の地域であり、まだまだ金融としても興味深々な場所です。統合する地銀さんはどうなるかわかりませんが、統合した信組さんは素晴らしい動きを実感してます。